日本におけるLemon8の広告ソリューションは単にブランド名を露出するだけでなく、アプリの持つコミュニティ性や専門性を生かしコンテンツ連動型であることが特徴。それらの商品の特性と、ユーザーに受け入れられる理由を聞いた。
実用的で多様な情報が得られるライフスタイル共有アプリ
Lemon8は静止画と動画コンテンツを投稿することができるアプリ。ビューティ、ファッション、グルメ、トラベル、暮らしといった多岐にわたるジャンルから、生活に役立つ実用的なコンテンツが、多様なユーザーによって発信されている。また実用情報やお役立ち情報の検索エンジンとして、情報を探すために使われていることも特徴だ。
「Lemon8は、ユーザーによる実体験や出来事の共有、ティップス、アドバイスや、商品レビューなどの投稿が豊富」とLemon8の松尾布見子氏は解説する。「例えばあるカフェの情報について調べると、『このお店は10時から12時は混むので、13時から14時に行くと良い』といった詳細な情報が共有されており、他のSNSとの差別化になっています」
画像や動画とともに文字情報も含めた豊富な情報量が、動画や静止画をメインとする他サービスと一線を画す点といえそうだ。
ユーザーの関心領域は多岐にわたる。30~40代などライフステージの変化に直面する世代は、ウェルネスやエイジングケア、貯金や資産運用、家族にまつわるテーマが人気コンテンツ。20代のトレンドやおしゃれに敏感な世代には、カフェ巡り、垢抜けメイク、映えて楽しめるお出かけグルメ&スポットが人気だという。
Lemon8が活用される理由として、松尾氏は「『本⾳』の情報を⾒つけられ、共感できる情報を得られるプラットフォーム」であること、「様々な業界に詳しい熱⼼なクリエイターやユーザーが多く、ブランドや製品の情報に対して⾼い関⼼を⽰している」こと、「Lemon8ならではのユニークな広告ソリューション」の3点を挙げた。
2種類のコンテンツ広告ソリューション
Lemon8のコンテンツ広告ソリューションには大きく分けて、ブランド認知ソリューションとエンゲージメントソリューションがある。これらの広告商品は日本で初めて提供されたものだという。
ブランド認知ソリューションはリーチを広げ商品やブランドの理解を深めるためのもので、「クリエイターコンテンツパッケージ」という広告商品がある。Lemon8チームとパートナーシップを結んでいるクリエイターを起用し、コンテンツ投稿でリーチを拡大。Lemon8の有料配置⾯で露出を加速させインプレッション数を伸ばすことで、商品の理解促進を図るという流れだ。
一方エンゲージメントソリューションは、広いリーチと深いエンゲージメントを促進するもので、代表的なソリューションは「コミュニティクエスト」。ユーザーは簡単なタスクを行い、「チャレンジ」を完了するとブランドが提供する商品を獲得するチャンスが得られる。多くのユーザーが参加することで、商品の認知度を高めるとともに、深く印象づけることができる。10人のLemon8クリエイターの投稿を得てキャンペーンを開始するため、クリエイター投稿も良質なUGCの制作も実現できるのがユニークな点だ。
「黄色い箱」で特別なブランド体験を提供する「Lemon8 Box」
今年9月にはユニークな商品サンプリングができる新たな広告ソリューション「Lemon8 Box」を提供開始した。特徴的な黄色い箱に商品サンプルなどを入れてユーザーに発送するもので、箱を開ける特別な体験を通じて商品のサンプルレビュー獲得と話題づくりができるというもの。
キャンペーンに参加することにより商品の認知を高め、簡単なアンケートを通じてユーザーの意見を収集することもできる。対象の広告は検索ページのトップやアプリ内通知などの広告配置面により大々的に告知されることも特徴だ。
松尾氏は、「サンプリング機会がある」「話題性をつくりたい」「良質なUGCの商品レビューを増やしたい」「商品の認知を上げたい」「アンケートでユーザーの意見を集めたい」という目的を持つブランドにとって有効だと語る。
「Lemon8 Box活用で目指すのは、サンプリングの提供を通じてユーザーがLemon8上で質の高い『#正直レビュー』を投稿することで、ブランドにとって貴重なUGCを提供すること。それによって他のユーザーが購入を検討する際の信頼できる情報源となり、商品の魅力を効率よく伝えられるリアルな製品レビューを生成することができます。
ユーザーがBoxを開ける体験は、ただ商品を受け取るだけではなく、その瞬間をSNSなどでシェアするキッカケとなり、自然と話題となります。このユニークな体験を通じて、ブランドは通常の広告と違い、より自然な形でユーザーとつながることができるのです」(松尾氏)
「実用」と「ライフスタイル」を追求していく
広告主の実績が多い業種には、美容、食品・飲料、家庭用品などの一般消費財のほか、旅行やEC事業者などが挙げられる。
2023年4月から5月にかけて東京・天王洲で開催された「ウェス・アンダーソンすぎる風景展(AWA展)」では、集客策のひとつとしてLemon8を活用した。「アートの世界観に溶け込める」テンプレートとステッカーをアプリ内限定で公開するとともに、会場周辺のおでかけガイドも提供し、ユニークな展覧会の世界観をユーザーに共有した。
広告主への提供価値として、松尾氏は「良質なユーザーレビュー投稿、女性に対するリーチやエンゲージメントの提供など、Lemon8と一緒にブランディングができます」と話す。用途についてはメーカーなら「新商品の発売」、店舗や商業施設であれば「大きなセールの開催前にインフルエンサーが具体的に何を買えばいいかを提案し、セールを盛り上げていく」といったケースが多いという。今後は起動画面広告など、新たな広告商品を追加する予定だ。
「『映え』が正義だったSNSの世界に、『実用』と『ライフスタイルの共有』に特化した写真・動画アプリLemon8は、等身大でリアルなユーザーの投稿を集め、20~40代女性を中心に幅広く浸透しました。
今後はより広い年齢層のユーザー向け、参考になるコンテンツを豊富に届けていきたいと考えています。具体的には、自分の顔型や体型を知ることができる顔型診断、肌診断、BODYタイプ診断などの機能や、技術により自撮り写真から様々なパターンの写真を生成できる新機能『Lemon8フォトスタジオ』といった人気機能の活用を促進していく予定です」(Lemon8運営チーム担当者)