「あえて、声を張らない」のがラジオ流
――テレビ通販との差別化で意識していることはありますか。
和久井:テレビ通販の場合、多くは通販だけで番組が構成されていることがあります。しかし「ラジオリビング」の場合は、「昨日の野球の試合がどうだった」などというニュースを伝えたパーソナリティが、その流れの中で通販の商品を紹介します。これによって、リスナーの方にとって自然な流れで商品との出会いが生まれていると思います。
加えて、私が感じているもうひとつの大切なポイントは、「声を張らない」こと。商品についても生活情報のひとつとしてお伝えしているというスタンスなので、「これ、美味しいね~」という風に瞬間的にパーソナリティのテンションが上がることはあっても、「もう絶対これはおすすめです!!」といった発言はほとんどしません。そのあたりはずっと鉄則として守り続けられていると思います。
――ラジオ通販がテレビ通販に勝る部分はどういう点でしょうか。
粟野:「ラジオリビング」に限ってという話になりますが、テレビ通販とか他の媒体のラジオ通販と比べて圧倒的に返品率が低いのが強みです。一般的には通販は大体5%~10%が返品されると言われていますが、我々は1%未満ですね。
――ほとんど返品されないということですか。凄まじい数字ですね。
粟野:音声だけのコミュニケーションだと、届いたときに思っていた商品と違うということが発生しそうなだけに、我々も、他の通販との違いを知った時には驚きました。
ラジオでは、パーソナリティやアナウンサーが説明することをもとに、自分の頭の中で商品に関するイメージをつくれているので、思いのほか、イメージの違いが起こらないのかもしれません。