アメリカのハロウィーン商戦 トレンドはブランデッド・コスチューム?

アメリカ国民にとっての一大イベントのひとつ、ハロウィーン。72%のアメリカ国民がハロウィーンを祝うという。年末商戦を控えた企業は、ハロウィーンをどのように活用したのか、マーケティング活用事例について、松本泰輔氏が解説する。

 

※本記事は月刊『宣伝会議』12月号の連載「米国広告マーケティング事情」に掲載されています。

松本泰輔氏

Coast to Coast Marketing Services 代表。AEとして約10年広告代理店に勤務後、1995年渡米。大学院卒業後、ニューヨークの広告代理店にて通信・金融・食品会社などを担当し、2005年独立。アメリカ東海岸を拠点にマーケティング、ジャーナリズム分野にて幅広く活動。2011年、宣伝会議より『フェイスブックインパクト』を共著にて発表。

年末商戦の前哨戦ともいえるハロウィーン商戦

全米小売業協会(NRF)は9月19日付のプレスリリースで「2024年ハロウィーンの全米支出は前年対比約5%減の116億ドルと予測した。NRFのアンケート調査によると「米国民の72%がハロウィーンを祝う」という結果が出ている。NRF副会長のキャサリン・カレン氏は「小売業者にとっては冬の年末商戦に向けて弾みをつける大事な時期」と述べた。本号ではハロウィーンのマーケティング活用事例をまとめた。

ファーストフードを中心にブランデッド・コスチュームが流行

ファーストフード・チェーンにとってハロウィーンは集客・拡販の絶好の機会だ。今年特に目立ったのが自社でつくる「ブランデッド・コスチューム」。以前にも有名なお菓子の形やロゴマークを入れた着ぐるみを自作する人がいたが、企業が正式に製作・販売する例が増えた。

ヘルシーなメキシカン料理として人気のある「チポトレ」は2022年、「フォーク」と「ナプキン」のボディスーツをつくりInstagramに掲載したところ、いいねが7万人からつく反響を得た。今年は新たに3種類を加え、初のチポトレ公式コスチュームをハロウィーングッズ専門店で販売した。他のチェーン店も同様に、公式ハロウィーンコスチュームを製作し話題を呼んだ。

イメージ ハロウィーンのマーケティング活用事例

イメージ メキシカンファーストフード「チポトレ」公式ハロウィーンコスチューム。

メキシカンファーストフード「チポトレ」公式ハロウィーンコスチューム。左からフォーク、ナプキン、ブリトー、水カップ、テイクアウト袋。2年前にナイフとナプキンをつくりSNSに投稿したところ7万人に「いいね」された実績をもとに、3種類のコスチュームを加えて販売した。

寄付、宝くじ、割引クーポン チェーン店各社のキャンペーン

ウェンディーズは恒例のキャンペーン“HalloWEENDY’S”を開催。限定商品・グッズ販売に加えて、1ドルのクーポンブックを購入すると90セントが「デイブ・トーマス養子縁組財団(創業者の故・トーマス氏が養子だった縁で25年前に設立)」へ寄付されるチャリティー活動を実施した。

カールスジュニアは9月25日から限定商品「ゴーストバーガー」を販売すると同時にスィープステイクス(宝くじ)を実施。同社SNSにて「ゴーストモード(音信不通)」の話を#GhostMode付きでコメントすると、50ドル相当のギフトカードなどが当たる抽選会にエントリーされるようになる。

ホワイトキャッスルはポイント制度をさらにお得に改良し、ミニバーガー30個が5ドルオフに。また特別サイトではスナックやドリンクのレシピ、カボチャ彫り用テンプレートなどを掲載してハロウィーンを盛り上げた。

イメージ ウェンディーズのハロウィーン・メニューとクーポンブック。

イメージ ウェンディーズのハロウィーン・メニューとクーポンブック。

ウェンディーズのハロウィーン・メニューとクーポンブック。ブック1ドル購入するごとに90セントが創業者故デイブ・トーマス設立の養子縁組支援財団に寄付された。トーマス氏が養子で育った経緯から、同社は25年にわたり同財団を支援している。

…この続きは11月1日発売の月刊『宣伝会議』12月号 で読むことができます。

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