情報収集には必ず現地の声を取り入れる
──研修期間を経て、現在までバスガイド業一筋で働かれています。
バスガイドの仕事は、コース内容の確認から始まります。集合場所に到着するとお客さまをお迎えし、出発後は車窓から見える景色をご案内しています。道中の見どころを紹介し、お客さまを楽しませることが重要で、時には歌ったりもします。ツアー終了後やバスの停車時、お客さまがいないときの車内清掃も大事な業務です。
ガイド業務は、教本をもとに基礎情報を暗記することから始まりますが、プラス情報の取得はガイド次第です。つまり、教本には載っていない現地の最新情報や各地の観光地に関する知識、エピソードなどをどのように収集し、取り入れるかが、ガイドのスキルや個性に大きく関わってきます。
私は現地の方の声を聞いて、その土地の最新情報を収集していますね。人気のお土産情報から、季節ごとの開花情報まで、現地の方がリアルタイムで感じている情報はお客さまに喜ばれることも多く、価値があると思っています。
──お客さまとのコミュニケーションで気をつけていることはありますか。
普段から気をつけていることは、主に2つです。まずは、一方的なコミュニケーションにならないこと。基本的には、すべてのお客さまと一度はお話できるように努めており、直接交流することを大切にしています。
ただ、バスでは私たちガイドがマイクを持っているため、お客さまに聞き手になっていただく時間が圧倒的に多いです。そのため、バスを降りて観光地を歩くときや、昼食の時間などでは私が聞き役に回り、相互的なコミュニケーションを意識しています。
2つ目に心がけているのは、当日の年齢層に合わせた適切なガイド。季節や客層に応じてツアーの進め方を柔軟に使い分けることが重要だと思います。例えば、子どもの参加率が高いツアーでは親御さんも楽しめるように、安全に過ごしていただける案内をこまめに行うよう務めています。猛暑が続いた今年の夏は、これまで以上に水分補給の案内を行いましたね。
一方、お客さまの年齢層が比較的に高い際は、ガイド時の声のトーンを下げることで、リラックスしてツアーを楽しんでいただきたいと思っています。
等身大のガイドで全乗客が楽しめる1日を演出
──上村さんが業務で大事にしていることは何でしょうか。
常に笑顔を心がけ、等身大で対応することです。この仕事は、天候や交通状況など、イレギュラーな事態が発生することも多い。そういった懸念は、自分ではどうしようもない場合もあります。
そんなときでも、いつもと変わらない対応を行い、安心感を提供できるように努めています。お客さまが楽しめるよう、私自身も心配事は抱え込まないようにし、心の中では「私に任せて」と思ってバスでの時間を安心して過ごしてもらいたいですね。
今後も基本的な心構えは変わらず、参加したすべてのお客さまが最後までツアーの時間を楽しく過ごせるようなガイドを行っていきたいです。
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