東京で海外を旅するような特別な体験―異国情緒あふれる４軒のレストラン

日本にいながら、まるで異国の地に迷い込んだかのような美食体験ができる場所が東京にある。今回は、異国の風を東京で体感できる４軒のレストランを推薦。どれも一歩足を踏み入れれば、五感が刺激され、まるで「旅先のレストラン」に出かけたかのような錯覚に陥るだろう。

大切な人と、あるいは自分へのご褒美に、心が躍るひとときを味わってほしい。

店舗紹介

ペルーの大地が誘う、味覚と感性の旅

MAZ（マス／紀尾井町）

紀尾井町に位置する「MAZ」は、南米ペルーのCentralのシェフでありディレクターでもあるヴィルヒリオ・マルティネスと彼の主催するリサーチ機関であるMater Iniciativa（マテル・イニシアティバ）の手によってデザインされた、東京におけるあらたな美食体験レストラン。2022年に開店したこの場所は、ペルーの多彩な生態系をテーマに、一皿ごとに異なる標高の世界を表現する独自のメニューで注目を集めている。例えば、海抜-14mを表現した「海霧」、そして海抜4,200mの高地の生態系を体現する「極端な高地」など、それぞれの料理が特定の地域や環境を投影し、地球そのものを味わうような体験ができる。

店内にはペルーの大地と文化が感じられる装飾が施され、温かみのある木材やアースカラーが落ち着いた空間を作り出している。そこはまるで食を通してインスタレーションを体験できる美術館。東京にいながら、アンデスの山脈やアマゾンの豊かな自然を思い描きながら料理を楽しめるのはここだけだ。

ペルーと日本の食材が見事に調和し、新たな「食の冒険」がここに広がっている。

地中海のリゾートを思わせる、開放的で温かみのある空間

CICADA（シカダ／表参道）

表参道の奥まった静かな通りに佇む「CICADA」は、地中海の風を感じることができるレストランだ。店内に一歩足を踏み入れると、そこはまるでギリシャやモロッコの海辺のリゾートを訪れたかのような開放的な空間が広がる。温かみのある木材を基調としたインテリアと、テラス席から差し込む自然光が、訪れる人々を優しく迎え入れてくれる。

メニューには、ギリシャ、スペイン、モロッコなど環地中海の伝統料理が揃い、タパス、フムス、タジン、パスタやメッツェといった多彩な料理が楽しめる。アジアを感じる神秘的な雰囲気と、水辺のテラスなど開放的なヨーロピアンコロニアルな空間の中、料理とともに味わう地中海のワインやカクテルは、この異国情緒にさらに深みを与えてくれる。特にワインの中ではMEDITERRANEAN（ギリシャ、モロッコ、レバノンなど）REDワインがここでしか味わえないラインナップを揃えており、より異国感を味わえる。

友人や家族、恋人とのディナーに最適で、東京にいながら異国の風に包まれた至福の時間を過ごせる空間だ。

静謐と洗練の中に息づくイタリアの味覚

イル・リストランテ ニコ・ロミート（八重洲）

東京・八重洲にある「イル・リストランテ ニコ・ロミート」は、イタリアのミシュラン3つ星シェフ、ニコ・ロミート氏が監修するレストランで、ブルガリ ホテル 東京の40階に位置している。ここでは、オーセンティックなイタリア料理をコンテンポラリーなスタイルで表現したメニューが提供されており、シンプルさの中に豊かな深みが詰まっている。

厳選された日本の旬の食材とイタリアの伝統的な調理技法が組み合わされ、食材そのものの味を最大限に引き出す一皿一皿は、まるで美しいアート作品のようだ。

本質的な材料と「メイド・イン・イタリー」の文化、エレガンス、活力を表現する特徴を中心に据えるものであり、イタリア料理の新しい規範を打ち立てるもの。

アーチ状の木造天井や和のエッセンスが施されたインテリアが独特の静謐な雰囲気を醸し出し、イタリアの宮殿で食事を楽しんでいるかのよう。都会の喧騒から切り離された高層階から見下ろす東京の夜景を背景に、イタリアの味覚が蘇る瞬間はまさに贅沢そのものだ。

まるでパリの都会に佇むダイニング。フランスの「今」を感じさせる洗練されたフレンチブラッスリー

THE UPPER（アッパー／丸の内）

丸の内に位置するTHE UPPERは、まるでフランスの大都会にあるレストランのような活気と洗練を感じさせるモダンなブラッスリーだ。

大阪のミシュラン2つ星レストラン「ラ・シーム」の高田裕介氏をパートナーシェフに迎え、本場フランスさながらのブラッスリーメニューをご提供、記念日にぴったりなコースからアラカルトまで、約40種類のメニューを揃えている。なかでも、シーフード・プラッターは鮮度抜群の魚介が美しく盛り付けられており、まるでフランス南部の海沿いのダイニングで豪快に味わうかのような気分に浸れる一品である。

店内は洗練されたインテリアが広がり、明るい自然光が降り注ぐ緑豊かなテラス席やダイナミックなシェフズカウンターが、訪れる人々を祝祭的な空間へと誘う。

日本の近代化や経済発展の歴史とともに、その足跡を刻んできた丸の内。時代の最先端を行くこの空間は、時代の気分を先取りしながら、進化を続ける。

夜が更けるにつれ、パリの現在と過去のエスプリを感じさせるバーでのひとときもまた格別で、ここは都会の喧騒を忘れて過ごす特別な場所である。

これら4軒のレストランは、ただの食事の場ではない。どの場所も、訪れる者を非日常へと誘い、異国情緒に浸らせる。東京にいながら「旅」を体験する、そんなひとときをぜひ大切な人と共に楽しんでほしい。

著者プロフィール

河野貴伸氏

ミリモルホールディングス
代表取締役/CEO

2000年からフリーランスのCGクリエイター、作曲家、デザイナーとして活動。2013年、ブランディングエージェンジー、FRACTA創業、代表取締役就任。2020年、上場企業にバイアウト。2024年1月、FRACTAの代表を辞任し2024年3月、AIのマネジメント、トレーニングおよびAIを活用した事業支援を行うMMOL Holdingsを設立、代表取締役就任。

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