目指すは「国内シェアNo.1のゲームセンター」 GENDA GiGO Entertainment社長が明かす強さの秘密

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二宮一浩氏

GENDA GiGO Entertainment
代表取締役社長

1996年、株式会社ナムコ入社。国内アミューズメント施設の運営、プロモーション、購買業務の責任者を務めたのち、2018年より、株式会社バンダイナムコアミューズメントにて執行役員国内アミューズメント施設事業の総責任者を務める。2019年より海外事業ディビジョンマネージャーとして海外事業を担当し、2020年よりNamco UK Ltd.Managing Director、Namco USA Inc. Directorを兼任。2021年4月、株式会社GENDAに入社し、CSOに就任。同年8月、株式会社GENDA GiGO Entertainment取締役商品企画本部本部長に就任。2023年4月、同社の代表取締役社長に就任。

入口に大きく「GiGO」というロゴが掲げられたゲームセンターを見かけることが増えた。繁華街や商業施設内など、あらゆる場所に出店を拡大しているのがGENDA GiGO Entertainmentだ。その勢いはとどまることを知らず、グループ店舗数は2024年7月末時点で約350店舗。「国内シェアNo.1のゲームセンター」を目指すという。今回は2023年4月に就任した代表取締役社長 二宮一浩氏に、強さの秘密を聞いた。

GiGOで働いていることを社員が誇れる会社にすると決めた

──GENDA GiGO Entertainmentはどのような会社なのでしょうか。

GENDA GiGO Entertainmentは2022年1月に設立した比較的新しい会社です。それまではGENDA SEGA Entertainmentという社名でしたが、セガグループから株式を100%取得したことによってGiGO(ギーゴ)の名が付くことになりました。ゲームセンターをはじめとしたアミューズメント施設事業を中心に、「遊び」を軸にしたエンタメ体験を提供しています。

「GiGO」とは、Get into the Gaming Oasis(ゲームのオアシスに飛び込め!)の頭文字をとったもので、当社のブランドストーリーの礎になっている言葉です。「ASOBIで世界を熱くする」というビジョンのもと、遊びの先駆者として五感を揺さぶる熱狂体験を創造することを、皆さんに約束して事業を展開しています。

──社長に就いたのは、2023年4月。当時はどのような想いでいらっしゃいましたか。

私が社長に就いたのは、コロナ禍も落ち着き、GiGOとしても復調の兆しが見え始めていたタイミングでした。とはいえコロナ禍でダメージを負わなかったかといえば、そうではありません。士気が落ち込んでしまった社員もいたと思います。

しかし「遊び」の力はやはり強かったんです。というのも、ゲームセンター事業はアフターコロナにおいて回復スピードが速い傾向にありました。当社グループの会長である片岡が、以前から言っていた「お客さまが楽しいと思うものはなくならない」という言葉を体現したような事象だったと感じています。

私も社長に就いた当初は、社員に「自信を持っていこう」と伝えましたね。復調の様子を見ていても、アミューズメント施設というリアルの場でしか体験できない「遊び」への熱量の強さは明らかでした。そんな、お客さまが求めていることに対して価値を提供できるGiGOという会社で働いていることを、社員の家族や大切な人に自慢したくなるような、そんな会社にしたいと決めました。

写真 店舗・商業施設 GiGO総本店

東京・池袋に構えるGiGO総本店。

意思決定の速さの由来は「Speed is King」

──GiGOの屋号が目立つゲームセンターの数がかなり増えてきた印象です。東京・池袋、大阪・道頓堀には旗艦店もオープンしています。その背景にある戦略や構想を教えてください。

先ほども申し上げたように、私はGiGOを、社員が誇りを持てるような会社にしたいと思っています。そのためには、ある種の「かっこよさ」のようなものも必要だと思っています。要は、店舗のデザインが統一されていたり、最先端のテクノロジーが搭載されていたり。GiGOブランドってかっこいいな、と社外だけではなく、社内に向けても思ってもらいたい。GiGOのお店が全国各地にあることで認知も高まりますし、そんな勢いのある会社で働いていることに誇りを持ってほしいと思っています。

旗艦店で言えば、出店した池袋の場所は立地も良く、他の企業も出店を検討していたと聞いています。我々は他と比較してもいち早く出店を決めた。それだけなんです。

大阪・道頓堀の旗艦店や、その他GiGO店舗の出店拡大が目立っていると思いますが、その背景にあるのは親会社のGENDAグループにある「Speed is King」というバリュー。これが、当社の出店拡大やさまざまな企画実施における意志決定の速さの由来として存在しています。

旗艦店の出店にしても、「よくそんなスピードで決められましたね」と社外の方から驚かれることもあるのですが、私たちは情報量と時間は比例しないと考えています。

出店でも、新たなキャンペーンでも、何かを企画して実施するためには事前に情報を集めますが、ある程度集約できれば意思決定には事足りると思うんです。時間をかければかけるほど良い意思決定になるかというと、そうとは言えない。時間をかけても判断が変わらないのであれば、他よりも先に判断する。

その分、決めたことに責任を持ってやり抜くことも必要ですが、私たちの成長の背景には確実に、「Speed is King」があると思っています。

──M&A戦略もゲームセンターやアミューズメント施設事業には追い風だったのでしょうか。

GENDAは既存事業の継続的な成長の他に、M&Aによって「連続的な非連続な成長」を実現することで成長するという戦略を柱にしている会社でもあります。そういう意味で言えば、ゲームセンターやアミューズメント施設事業はM&Aと相性が良かったと言えると思います。

過去、ゲームセンター事業においては、かなりのシェアを占有する企業は存在していませんでした。群雄割拠と言えるような業界だったと思います。熱量が高い仲間と一緒に事業を推進していく我々の成長戦略を鑑みても、ゲームセンター事業は追い風だったと感じています。

写真 店舗・商業施設 GiGO旗艦店
写真 店舗・商業施設 GiGO旗艦店

2024年8月30日、大阪・道頓堀にオープンした関西初の旗艦店。

直近は国内シェアNo.1が目標 一番エンタメを届けられる会社へ

──今後の展望をお聞かせください。

まずは国内でシェアNo.1のアミューズメント会社になることが目標です。それがすなわち、お客さまに対して一番エンターテインメントを届けられる会社になるということだと思います。

そのためには、前に述べたようにDX。テクノロジーの力でどこの企業よりも顧客を知ること。そして顧客理解をもとに新たな施策を展開していくことは必要不可欠だと思っています。

もちろん、出店拡大もさらに進めていきます。しかしそれは、国内に限りません。実際に海外への出店も注力しています。現在は台湾、ベトナム。さらには米国子会社kiddletonとの連携により、米国でのGiGOの展開も計画をしているところです。

今はアジアにとどまっていますが、我々が目指すのは、世界中の誰もが知りえるニューヨークタイムズスクエアのような場所への出店。これも、社員がGiGOで働いていることに誇りを持ってもらうためです。社員が家族や大切な人に、GiGOで働いていることを自慢したくなる。その上で、お客さまに一番エンターテインメントを届けられる会社になることを目指していきます。

写真 人物 個人 二宮一浩氏

※本記事は月刊『販促会議』11月号 連載企画『トップの現場力』に掲載された記事を再編集したものです。

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