歴史あるクレディセゾンのロゴタイプを継承
プロジェクトの発足は2022年12月。今回発表された2つの書体は、クレディセゾンとフォントワークス社の書体デザインディレクターであるヨアヒム・ミュラー・ランセイ氏らが率いるチームによって制作された。
SAISON Sansは、セゾンカードのロゴでもなじみがある、既存のロゴタイプを踏襲したジオメトリック(幾何学的な)サンセリフ体。
ヨアヒム氏は既存のロゴタイプの詳細な分析を行い、全文字のプロポーションの見直しを開始。Mなどの尖った部分をわずかに面取りする、視覚的な錯覚を考慮に入れた微調整を実施する、アウトラインをなめらかにするなどデザインを施した。
書体が一貫した視覚的高さを保つために、一部が基準線や中心ラインをわずかにはみ出す「オーバーシュート」を面取りすることで、文字のシェイプを太くした場合でも美しいプロポーションを保つ。
SAISON Sansよりさらに可読性を追及した「Advance」
SAISON Sans Advance は、SAISON Sansよりさらに可読性を追及し完成した書体。均一なストロークで構成されるSAISON Sansのアドバンス版として、コントラストの要素を加えた。
線画の太さにわずかな変化を加えることで、カリグラフィの要素を取り入れつつ自然な抑揚を表現。これにより文章にエレガントで洗練された印象を与え、欧文の長文を組版する際には、読みやすさを引き立てる。
幾何学的な書体と、コントラストのあるクラシックな書体の中間を探り、SAISON Sans Advanceの形状が決定した。
象徴的な「O」の異体字も用意
また、SAISON Sans/Advanceの両方において、クレディセゾンのロゴタイプで象徴的な存在となっている二重丸の「O(オー)」のオルタネート(異体字)も用意されている。