キリン、日本山村硝子と「2ピースキャップ」の実証実験
飲料メーカーによるペットボトルの「水平リサイクル」が拡大している。ペットボトルを別の製品にリサイクルする場合と比べ、原料の循環性が高く、より資源を効率的に使用できるほか、CO2削減も期待できる。一方、水平リサイクルにはより厳格な分別が必要などの課題も多い。メーカー2社に水平リサイクルの実現に向けた取り組みを聞いた。
キリンビールは日本山村硝子と共同で、キャップの外装部にリサイクル樹脂を10%混合した「2ピースキャップ」の実証実験を12月中旬から開始する。会員制生ビールサービス「キリン ホームタップ」で提供する「一番搾りプレミアム」の1Lペットボトルのキャップに期間限定で導入。酒類飲料のペットボトルに使用するキャップから同一キャップへの水平リサイクルの実用化に向けた実証実験は日本初の取り組みだという。
キャップの外装部にリサイクル樹脂を10%混合した「2ピースキャップ」
実験では「ホームタップ」のほか、クラフトビールを専用什器で楽しめる「タップマルシェ」のビール製品の製造工程で発生した廃棄キャップを約4万個活用する。両サービスでは内装部と外装部の2装に分かれている「2ピースキャップ」を使用している。メカニカルリサイクルによって外装部にリサイクル素材を10%混合することで、キャップ1個当たりにつき、温室効果ガスの排出量を約1.7g削減できる見込みだ。