理想的だと思う上司や先輩に関する設問
理想の上司や先輩についての質問では、第1位が「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」で25.5%だった。次いで「仕事の結果に対するねぎらい・褒め言葉を忘れない上司・先輩」が10.9%、「部下の意見・要望を傾聴する上司・先輩」が10.8%となった。いずれの項目でも属性別に大きな差は見られなかった。
第4位の「言動が一致している上司・先輩」については男性が7.4%、女性が16.1%で、女性の方がこの項目をより重視する傾向が見られた。
新入社員が望む職場について5つの設問で方向性を尋ねた結果、72.2%が「個人が評価され、年齢・経験に関係なく処遇される実力・成果主義の職場」を希望した。79.2%が「チームワークを重視する職場」、77.7%が「仕事以外のことも相談できる職場」、77.0%が「仕事の質で評価される職場」、66.0%が「確実にスキルアップできる職場」を選んだ。
これらを総合すると、新入社員が望む職場像は「成果や仕事の質で評価されることを望みつつ、チームワークを重視し、仕事以外のことも相談でき、スキルアップも叶えられる職場」であると考えられる。
働き方に対する考え方については「国内転勤は受け入れる」が69.1%、「国外転勤は受け入れる」が46.5%だった。
属性別に見ると、高校卒群では「国内転勤は受け入れる」が80.4%、「国外転勤は受け入れる」が40.5%で、「国外転勤は受け入れる」の割合が39.9ポイント低かった。高校卒外群では「国内転勤は受け入れる」が65.4%、「国外転勤は受け入れる」が48.4%となり、国外転勤への受け入れが低い傾向にあることが分かった。
これから仕事をしていく上での不安に関する設問
仕事をしていく上での不安について尋ねたところ、第1位は「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」で23.2%、第2位は「仕事に対する現在の自分の能力・スキル」で20.3%、第3位は「仕事での失敗やミス」で10.4%であった。
属性別では、高校卒群と高校卒外群で違いが見られ、「仕事に対する現在の自分の能力・スキル」では高校卒外群が、「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」「仕事での失敗やミス」では高校卒群がそれぞれ約5.0ポイント高かった。性別による大きな差は見受けられなかった。
仕事の不安で3位になったのは「仕事での失敗やミス」
3位の「仕事での失敗やミス」に関連して、他の設問では新入社員にとって抵抗のある行動として「上司や先輩からの指示が曖昧でも、質問をしないで、とりあえず作業を進める」が全体の22.1%で第1位。ミスを避けたい気持ちと曖昧な状態で作業を進めたくない姿勢の関連性が示唆される。
職場で遭遇するいくつかのシチュエーションに対して転職を考えるかを尋ねたところ、「職場の人間関係が悪い時」に「転職を考える」(そう思う+どちらかと言えばそう思う)が15.7%で第1位、「社風や企業文化が自分に合わないと感じたとき」が第2位で14.3%、「会社の将来性が見込めなくなったとき」が第3位で13.9%であった。
新入社員自身で改善が難しいシチュエーションが上位を占めていると考えられる。年度別では大きな差はなかったが、「職場の人間関係が悪い時」に転職を考える割合は、高校卒群が高校卒外群より7.2ポイント、女性が男性より7.6ポイント高かった。