CM制作会社・太陽企画の創業メンバーの一人で元会長の阿部正吉(あべ・まさきち)氏が、今年8月3日に死去していたことがわかった。90歳だった。同社や所属していた日本脚本家連盟が明らかにした。
阿部氏は1933(昭和8)年福島県生まれ。68年、太陽企画の創業に参加し代表取締役専務に就任。代表取締役副社長を経て、2003年から取締役会長。2006年相談役、顧問を経て2011年に退任した。
映画やテレビ番組の脚本家から広告文案家となり、1964年の東京五輪のころからテレビCMをメインに活動。十数年にわたって続いた小学館「ピッカピカの一年生」シリーズをはじめ、トヨタやキリンビール、東芝、ライオンなど多くの企業のCMにプロデューサーとして携わった。太陽企画ではVTR編集室やCG製作室をいち早く開設するなどCM制作環境の整備に努めたほか、JAC(現日本アド・コンテンツ制作協会)やACCなどを通じて後進の育成に努めた。著書に『クロスメディア時代のCM制作の基礎知識』(宣伝会議)がある。