「個人的には」は使わない、消費者視点以外はすべて捨てる
──部署のメンバーには、どのように成長していってほしいと考えていますか?
身に付けてもらいたいのは、「消費者視点の追求」です。
今、外部のマーケティング会社の支援を受けて、研修プログラムを実施しています。消費者のペルソナと課題を設定して、課題解決の方法を考えるものです。メーカー視点でも個人視点でもなく、「消費者が価値を感じているかどうか」で発想ができるようになってほしいと思っています。
ちなみに僕は、個人視点を排除するために、会議中の「個人的には(こう思う)」を自分の禁句にしています。主観的で明確な理由がない言葉であり、特に組織の上の立場の人が使うと、「部下たちは反論しづらいと思います。それよりも主語は常に「消費者は」や「生活者は」であってほしい。客観的に顧客を捉えることで理解を深め、マーケティング戦略の軸にしてほしいと考えています。
その上で、発想や考え方をもう一段階広げるのは、常に未来志向でいることと、そのためにどれだけ学べるかということだと思います。過去の経験も大切ですが、実は僕は自分のキャリアにもそこまで興味がありません。大切なのはこれから何ができるか。一緒に学び、組織内や外部協業でお互いに刺激をしあいながら、ヒットメーカーが育っていく。そんな組織にできたら嬉しいですね。
──最後に、若手読者へのアドバイスをお願いします。
どんどん失敗や想定外を経験した方がいいと思います。僕もキャリアの初期からたくさんの想定外を乗り越えてきました。
ジュニアスタッフのうちは任されている仕事で失敗したって、潰れない会社はいっぱいありますよね。だから、若手のうちはあえてそういう環境を選ぶことも大切です。そして、思い切ってこれまでにないアイデアを試すこと。想定外の経験というのは、成果にかかわらず、後々自分のターニングポイントになっていくそうですから、きっと将来の糧になると思います。
──槇さんの下で育ったマーケターの方が、どのような新しい発想の商品を生み出していくのか、今後が楽しみです。本日はありがとうございました。
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