金銀の精製機能を持ち合わせた「佐渡奉行所」
対面イベント時に「江戸時代の佐渡へタイムスリップメタバース」体験会を開催したところ、行列ができるほどの人気だったという。「佐渡にルーツがあるが、初めて知る内容も多く面白かった」といった反響が寄せられたほか、「前回の旅行時には、金山に入ったけれども京町に気が付かなかった」など新たな発見につながったという。
メタバースの世界に入れること自体に興味を持つ子どもも多く、調査員の桃原里沙氏は「ユーザーの知的好奇心を刺激し、新たな発見をもたらすことで、観光先選びの候補になったり、佐渡への再訪を促したりする効果があると感じている」と話した。
桃原氏は「今回の事業を進めるにあたって『佐渡島の金山』が世界遺産に登録された本当の価値や凄さが、まだまだ十分に認知されていないということに気づいた」と指摘。「メタバースは認知の裾野を広げる有効な1つの手段になっている」と手ごたえを語った。
今後の展望として桃原氏は「このメタバースをより多くのシーンで活用し、部局横断的かつ官民連携で地域還元につながる好事例を創出し、新たな佐渡ファンの獲得につなげていきたい」と話した。旅行前の下調べとしてメタバースと接点を持つ「旅マエ」、修学旅行などの事前学習として地域文化を体験できる「文化教育」、投げ銭の仕組みを発展させることで地域産品や体験チケットを販売する「販売チャネル」としての活用なども検討する。