新しい概念の普及に大事なのは「仲間づくり」
フェーズフリーを“正しく”理解していること、フェーズフリーに関わっていることがSocial Good(昔ですと、「それってかっこいいね・イケてるね」)である状態・状況をつくり出すことが必要であり、そうすることで「共感」から「共有(Share)」という一人ひとりのアクションが生まれ、フェーズフリーを正しく発信するためのエコシステムができあがります。
【コミュニケーションの浸透プロセス】
TOKYO2020のマーケティングを担当している際、「障害のあるなしに関わらず、誰もが安心安全で活躍できる社会の実現」をプロジェクトPurposeに掲げ、それを推進するための手段としてパラスポーツを通じた機運醸成プログラムを展開しました。
様々な取り組みを行いましたが、一人ひとりに「自分ゴト化」してもらうべく、受け身のイベントではなく体験や対話を基点とした参加型の全国各地で展開しました。全国500以上のホストタウンと連携したパラスポーツ体験会の開催やオリンピック等経済界協議会を通じた企業連携によるパラスポーツ大会など、身近に感じられる機会至る所でつくるという地道な取り組みが肝要だと思い、当時のオフィスの共用フロアにしれっとボッチャコートとボールを設置し気軽に遊べる場づくりなどもやっていました。
これは、フェーズフリーについても同様です。コミュニケーション浸透プロセスにおいて、「共感」→「自分ゴト化」の間には大きな隔たりがありjump upするための施策が欠かせません。
これまでの協会の取り組みは草創期であり、フェーズフリーアワードやフェーズフリー認証など協会主導での発信/一方通行な施策が主体となっていましたが、ある程度の認知と普及が進みつつある現状を鑑み、フェーズフリーがより一段上の市民権を得るために、より多くの人々が体験・対話でき自分ゴト化を促すための取り組みを展開していく必要があると考えています。
今年5月に閣議決定された第6次環境基本計画では、新たな成長を支える科学技術・イノベーションとしてフェーズフリーが取り入れられ、石川県の創造的復興プランでもフェーズフリーが盛り込まれています。そして11月には、防災庁設置準備室が内閣府に設置されました。
南海トラフを始めとする巨大地震への危機意識が高まる中、ますますフェーズフリーを正しく、しかも出来るだけ早急に普及促進していくことが大切になっており、一緒に発信してくださる仲間づくりを進めながら、できることをできるかぎり取り組んでいきたいと考えています。