消費者庁は、自転車用ヘルメットの販売事業者3社に対して、景品表示法に基づく措置命令を出した。対象は蔵前製薬、インフィニティ、クロマチック・フーガの3社で、それぞれ自転車用ヘルメットの欧州連合(EU)の安全基準や安全規格に適合していないにもかかわらず、Webサイトにおいて適合しているかのように表示していた。同庁は優良誤認に該当すると判断。各社に再発防止策の徹底などを命じた。
「CE認証済」とうたったクロマチック・フーガのWebサイト
蔵前製薬とインフィニティの対象商品は「キャップヘルメット」と称するヘルメット。Webサイトにおいて、同商品を被った人物と商品画像と共に「CE安全基準認証済み」、「自転車・超軽量」、「ハット型ヘルメット」、「改正道路交通法の施行により令和5年4月1日から、すべての自転車利用者に対して乗車用ヘルメットの着用が努力義務化されます。」などと表示した。あたかも、同商品がEUの安全基準や安全規格に適合するものであるかのように示していた。
クロマチック・フーガの対象商品は「ハット型ヘルメット」と称するヘルメット。Webサイトにおいて、商品を被った人物の画像と共に「ハット型ヘルメット」、「CE認証済」、「令和5年4月1日から道路交通法の改正により、自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となりました。」等と表示していた。
各商品は、自転車用ヘルメットに係るEUの安全基準や安全規格に適合するものではなかった。
道路交通法の一部改正で、令和5年4月1日からすべての自転車利用者に乗車用ヘルメットの着用が努力義務化された。現状、日本においては乗車用ヘルメット(バイク用ヘルメット)と異なり、自転車用ヘルメットに対する法令による規格や基準は存在しないものの、民間団体や外国の法令に沿った安全基準への適合をうたう製品が流通している。CEマークは、製品をEU加盟国へ輸出する際に、安全基準条件を満たすことを証明するマークで、自転車用ヘルメットの安全規格として使用されている。