ベネッセ専用のAIをサイバーエージェントが開発
ベネッセグループは1955年の福武書店の創業に始まり、2025年に創業70周年を迎える。教育分野では1969年に現在の「進研ゼミ」の前身である「通信教育セミナー」、2014年からは紙の教材に加え、タブレット講座を開講。2023年にはAIを利用した「AI学習コーチ」を提供している。今回のプロジェクトを通じて、事業だけでなく、社内の業務改革でも最新のテクノロジーを活用する考えだ。
生産性を約11倍向上させた「極予測AI」
サイバーエージェントが2020年から提供している「極予測AI」は、広告効果の高い広告クリエイティブを制作するためのシステムで、広告に使用するコピーや画像、動画などの素材ごとにAIが効果予測を行い、既に配信されている広告よりも広告効果が高いクリエイティブの制作に貢献する。
生成AIを活用した商品画像生成機能では、従来の撮影で必要とされていた機材やセット、ロケーションを用意しなくても、あらゆるシチュエーションと商品画像の組み合わせを大量に自動生成することが可能になった。生成した商品画像と効果予測AIを活用し、予測を行いながらより効果の高い商品画像の制作を実現する。
2020年5月の提供以来、サイバーエージェントの広告事業において8割の取引企業に導入された。AIクリエイターの制作効率が5.6倍、制作したクリエイティブの効果が高い確率が2倍となるなど、総合的な生産性は約11倍になったという。
極予測AIを用いて自動生成・キャスティングしたAIタレントを活用した広告では、クリック率で約4倍の改善を達成。企業固有のブランドルールを学習し審査を自動化する「審査AI」の提供など、生成AI時代に対応した独自のAIツールを開発しクリエイティブ制作に活用することで精度を高めてきた。
「極予測AI」を企業ごとにカスタマイズし提供するBPOサービスの提供も開始。デジタル広告やSNS投稿用のクリエイティブなどオンライン媒体のほか、DMやチラシ、製品カタログ、採用パンフレット、店頭POPや商品パッケージデザインなどのオフライン媒体まで対応。あらゆるクリエイティブ制作プロセスにおいてAI技術を適用する。