Yahoo!広告、2024年度上半期は約8,900万件の広告素材を非承認に LINEヤフー「広告サービス品質に関する透明性レポート」

LINEヤフーは11月17日、広告サービス品質向上のための審査実績をまとめた2024年度上半期(2024年4月1日~9月30日)の「広告サービス品質に関する透明性レポート」を公開した。本レポートは、2019年度より毎年公開しているもの(当時はヤフーから公開)。今回は初めてYahoo!広告とLINE広告のなりすまし型「偽広告※1」に関連する審査実績を追加した。

※1 なりすまし型「偽広告」とは、個人又は法人の氏名・名称、写真等を無断で利用して著名人等の個人又は有名企業等の法人になりすまし、投資セミナーや投資ビジネスへの勧誘等を図る広告を指す。

Yahoo!広告、約8900万件の広告素材を非承認に

調査によると、Yahoo!広告では、2024年度上半期は約8,900万件の広告素材※2を非承認とした(グラフ1)。非承認数は、2023年度下半期と比較して大幅に増加している。

検索広告において、URLの文字列の誤りにより適切に表示されないサイトの入稿など「ユーザーの意に反する広告の禁止」の掲載基準での非承認の大幅な増加が主な要因としている。

※2 LINEヤフーの広告掲載基準や広告入稿規定、広告販売ルールに抵触した広告のタイトルや説明文、画像、リンク先のウェブサイト、キーワードなどの各非承認数を合計した件数で、広告単体の件数ではない。

グラフ1

また、LINE広告においては、約102,000件の広告素材を非承認にした。2023年下半期からは若干の増加となる(グラフ2)。広告素材の非承認割合としては、約8割がクリエイティブ(主に画像や動画)の非承認。

非承認の理由は、「各種関連法規に抵触する可能性がある内容」が約6割を占めた。具体的には、化粧品での「効能効果を逸脱する表現」や、健康食品・雑貨(美容関連商材、健康機器等)での「標ぼう可能な範囲を逸脱する表現」、医療広告基準の「費用を強調した広告」や「広告可能範囲を超える表現」など。

※LINE広告とYahoo!広告では、広告素材のカウント対象や算出方法が異なる

グラフ2

なりすまし型「偽広告」、掲載停止申告は0件も非承認は2700件以上に

また、なりすまし型「偽広告」については、Yahoo!広告、LINE広告ともに、ユーザーからの広告掲載停止申告(肖像権侵害、または「なりすまし」を理由とする申告)は0件。

一方で、なりすまし型「偽広告」による詐欺で用いられることの多い手口を禁止する「未認証のLINE公式アカウントや個人のLINEアカウントへの友だち追加を促すもの」の基準(Yahoo!広告掲載基準/LINE広告審査ガイドライン)にもとづいて非承認とされた件数は、2,715件だった。

Yahoo!広告、広告換算費 約190億円を無効なインプレッションやクリックと判断

さらに本レポートでは、広告の審査実績とは別に、Yahoo!広告のトラフィック審査も公開。無効なトラフィック(広告リクエストや広告インプレッション)や、ユーザーに見せかけたボット(自動的にタスクを実行するプログラム)による悪質なインプレッションやクリックなどの無効なクリック、広告費を不当に搾取する「アドフラウド(不正広告)」を排除した結果、Yahoo!広告では、広告費に換算すると全体で約190億円相当にのぼったという。この金額は広告主の費用にならないよう、非課金化された。

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