ファミリー向けマーケティング支援を行うキッズスター。同社の主力サービスである子ども向け社会体験アプリ「ごっこランド」は、実在する企業やブランドのお仕事体験を通じて、子どもたちに社会の仕組みを学ぶ機会を提供するもの。こうしたアプリに協賛するクライアント開拓施策の一環として、同社は、宣伝会議主催イベントへの出展・協賛をしています。2024年9月の上場を経て、さらにBtoBマーケティングを強化する同社セールス＆マーケティング班の平尾未来氏に、イベント協賛の理由やマーケティング戦略を伺いました。
- 企業のメッセージをゲームというわかりやすいかたちで表現する「ごっこランド」
- BtoBマーケティング施策ではしっかり対話できるオフラインの施策を重視
- 普段なかなか出会うことができない企業の担当者と会えることが出展の決め手
- ネットワーキングパーティーをきっかけに商談、受注につながった事例も
- 今後は、従来のものより小規模で、より密なコミュニケーションが取れる場に期待
社会体験アプリ「ごっこランド」とは
――御社のサービス概要について教えてください。
平尾：当社は「子どもの夢中を育て、応援する」というミッションを掲げ、子ども・ファミリー向けのデジタルコンテンツ事業を展開しています。
主力サービスの「ごっこランド」は、未就学児～小学生までの子どもとその保護者を対象とした社会体験アプリです。実在する企業やブランドのお仕事体験、商品・サービスの疑似体験を通じて、子どもたちに社会のしくみを学ぶ機会を提供しています。
キッズスター 平尾未来 氏
さらに、2024年からは新たな取り組みとして、アプリの世界観を再現したリアルイベント「ごっこランドEXPO」をスタートしました。このようなサービスを中心に、デジタルとリアルの両軸で企業様のファミリー向けマーケティング・ブランディングの支援をさせていただいています。
――主力サービスである「ごっこランド」の特徴的な点は。
平尾：最大の特徴は、全国のファミリーと日常的に接点を持てる点、そして企業、子どもたち、保護者との間で、ごく自然なコミュニケーションが生まれる点です。
「ごっこランド」では、子どもには少し説明が難しい事業内容や商品・サービスへのこだわりなど、企業が伝えたいメッセージを子どもでもわかりやすいゲームというかたちで表現します。
この企業の想いが込められたゲームを求めて、子どもたちが自発的に遊びに来るわけです。
一般的な広告施策では、どうしても一方向のコミュニケーションになりがちですが、「ごっこランド」ではまさに遊びを通じた双方向のコミュニケーションが可能です。
ユーザーの8割が親子一緒にアプリを利用しているため、保護者と子どもとの間に「このお店に今度行ってみよう！」「このお仕事は私たちの暮らしを支えてくれてるんだね」といった会話が自然に生まれるんです。また、アプリ全体の月間平均プレイ回数は2000万回以上、1回あたりのプレイ時間は約3分と高頻度かつ深い接触体験が実現可能です。こうしたコミュニケーションにより、企業のファンを作ることにつながっていきます。
実際に、出店前後に実施するブランドリフト調査の平均値では、企業認知度が35%上昇、「チョコレートといえば〇〇」「牛丼といえば〇〇」といったような第一想起が49%上昇、企業への好感度が42%上昇するなどの明確な効果が表れています。
魅力あふれる企業に出会える場
――御社のBtoBマーケティング施策について教えてください。
平尾：「ごっこランド」は、知育アプリを活用したマーケティング・ブランディング施策という少し特殊な媒体になりますので、直感的にその価値が伝わりにくい面があります。また、企業の導入目的もさまざまで、ファミリー層の第一想起獲得や商品・サービスの利用促進、あるいはBtoB企業であれば認知獲得やインナーブランディング強化など、多岐にわたります。企業に合わせた利用シーンや効果をしっかりお伝えできればご理解いただけるのですが、逆に初見では理解をしていただくのが難しいという課題があります。そこで、短時間でも直接サービスの説明ができ、企業の方と対話できるオフラインの施策を重視しています。具体的には、展示会出展や、カンファレンスへの参加を通じて接点づくりを行っています。
――そのなかで、宣伝会議のイベントにも協賛いただいています。協賛の理由は。
平尾：当社のすべてのサービスでは、子どもたちにより多くの学びの機会を提供することを目指しています。そのために、身の回りの商品や社会インフラを提供している企業をはじめ、多くの企業を子どもたちに知ってもらいたいという想いがあります。
その実現のために、魅力あふれる企業に出会いたいとかねてより考えていました。その点を意識して施策を検討するなかで、宣伝会議のイベントには普段なかなか出会うことのできない企業も多く参加されていたので、協賛を決定しました。当社のサービスは、マーケティング部や宣伝部、広報部などの部署でご導入いただくケースが多いので、その意味でも、宣伝会議との相性の良さを感じています。
――イベント協賛の効果はいかがでしたか。
平尾：イベント後のネットワーキングパーティーにて、キッズスターのTシャツを着て参加していた社員に「キッズスターさん知ってます」と声をかけていただくなど、些細なきっかけから多くの企業とコミュニケーションを取ることができました。それを機に商談、受注につながった事例あります。
海外展開、リアルイベントを強化
――今後の事業展開について教えてください。
平尾：「ごっこランド」をより魅力あるサービスに育てていくのは大前提ですが、来年以降は商業施設でのリアルイベント「ごっこランドEXPO」を強化する予定です。今年は5会場で開催し、参加者数は合計1万人を超えるなどご好評いただいているため、さらに規模を拡大し、全国での展開を計画しています。オンラインのみではなく、リアルでも接点を持ちたいと希望される企業も多いので、その期待に応えていきたいです。
また、海外展開も加速させていく方針です。2023年には、「ごっこランド」の海外版である「Gokko World」を、ベトナムにてリリースしました。今後、その他のアジア向けにも展開を考えており、これらの地域は子どもの数が多く、経済発展も著しいため、ビジネスとしての可能性を大いに感じています。
――最後に、宣伝会議に期待することをお聞かせください。
平尾：以前開催された展示会とカンファレンスのハイブリットイベントは、参加された企業様と深い関係を築くことができ、非常に効果的でした。再び同様の形式での開催をお願いしたいです。また、従来のものより小規模で、より密なコミュニケーションが取れる場があれば、ぜひ参加したいと考えています。
当社のサービスの価値を伝える上では、深いコミュニケーションが欠かせないと思うので、今以上にそうした場が増えていくとうれしいですね。今後も、宣伝会議のイベントをはじめとする対話の機会を通じて、企業との接点を増やしていきたいです。
――平尾様、この度はありがとうございました。
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