10→6年で、一人前のプロに
2024年から人事制度を変更し、若手の成長支援も強化している。これまでは新卒入社後10年かけてプロフェッショナルクラスの人財(いわゆる、一人前)になる制度だったが、若手社員の成長加速及び活躍機会・能力とミッションに応じた適正対価提供を目的とした制度改定により、大半の社員が6年目から同クラスに昇格する機会が得られるようになった。
これまでの勤続年数と評価に応じて職位が上がる「上位クラス認定」から「昇格」という重みのある節目とし、プロフェッショナルとして求められる基準を充たしているかを審査される。昇格のためには、基本的なコアスキルを中心とした知識・スキルとプロフェッショナルとしての行動、マインドセットが必要とされる。これらが5年間で身につくよう、上長と人事が多面的に支援する。
新しい人事制度について
若手支援にとどまらず全社員の成長のためにも、スキルの分析だけではなく、どのような人がどのような経験をするとどのスキルが伸びるのか、経験と成長の関係性を分析して、経験の機会を提供している。スキルの向上には経験や価値観・資質も影響すると仮定。価値観・資質についてはSPI3 for Employeesを用いてどのようなモチベーションで仕事に向き合っているかなどを詳らかにした。
このデータは新入社員の配属にも一部活用を開始しており、新入社員がスムーズに配属先の組織に馴染み、士気高く仕事に向き合えるよう、活躍している先輩社員のデータを分析し、その特長と照らし合わせて配属部署選定の参考にしている。
今後はAIも活用し、人財の成長と事業の成長を連動させた分析を深め、社員の成長をシミュレーションしながらマネジメントをしていく考えだ。ただし「データはあくまで参考で、社員がかなえたいことをサポートするために使用する。データを用いることで社員自身が気づかない適性に気づけることもあり、社員と会社が互いに納得のいくキャリアを描けるよう、データ活用を進めていく」と松澤さんは補足。社員の成長に寄り添った人肌の感じる温かな人財戦略を図っていく。
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