「『ネス湖のネッシーが見たい』みたいな感覚で『京都人にいけずを言われたい』という方もいると考え、“生のいけず”が体験できるイベントをつくりました。いけず女将の本音を見抜き、適切な行動をとることで彼女から信頼を勝ち取っていくイベントなので、ゲームが進むほど“おもてなし度合い”も高まる設計にしています。例えば初手で間違えると文字通り『門前払い』されてしまいますが、最後には茶室で抹茶と和菓子が振る舞われます。
また、基本的に京都人は意地悪ではないという前提のもと、イベントで接する女将は参加者を試すように『いけず』を言い放つ流れを設計しています。そこが不自然にならないよう『世間のせいでいけずになってしまい、自分の理解者を探すために来客者を試してくる』というストーリーを用意しました」。
本イベント内で用意された「いけず」な言い回しは、26種類。協力者の実体験をもとに考えたと岡氏は話す。
「まず、参加者が何か無礼なことや、女将の気に触ることをしないと『いけず』は発動できません。そして発動しないことにはゲームが始まらないため、参加者が緊張で丁寧な対応をしていたとしてもやってしまいそうな行動を洗い出し、それに対する言い回しを考えました。そして女将役の方が自然に言えないと没入感が損なわれてしまうので、これなら言えると判断してもらったものを最終的には採用しています。そこから事前テストプレイを何度か重ねたうえで、参加者の方の行動を見ながら精度を高めていきました」。
