自らの成功法則を武器にCMOへ
――なぜ苦しい時期に?日本マクドナルドへの転職
日本マクドナルドに入社した2014年は、売り上げが厳しい状況でした。企業姿勢を示すためのさまざまな活動も重要ですが、それだけでは駄目だと思ったんです。「マック」って「楽しい」ブランドですよね。嫌な思い出を楽しい思い出で上書きしない限り、ブランドは復活せず、お客さまも戻らない。まさにモノガタリマーケティングが有効だという確信が、私にはありました。
おいしいだけではなく楽しい企画を絶え間なく提案し、ブランドイメージを変えようとまい進。お客さまの中に「マックは楽しい」という記憶が残るようにしました。その後、過去最大の赤字からV字回復したことは、よく知られていると思います。
マスメディアン
取締役 国家資格キャリアコンサルタント
荒川直哉
マーケティング・クリエイティブ職専門のキャリアコンサルタント。累計4000名以上の転職を支援する一方で、大手事業会社や広告会社、広告制作会社、IT 企業、コンサル企業への採用コンサルティングを行う。転職希望者と採用企業の両方の動向を把握しているエキスパートとして、キャリアコンサルティング部門の責任者を務める。「転職者の親身になる」がモットー。
――キャリア形成において一番大事にしていることは?
口に出すこと、「CMOにおれはなる!」です。まずは自分に言い聞かせ、次は周囲に。ある意味自分を追い込むことで、CMOへの道を自ら選択できるようになりました。
2020年に資生堂へスキンケアブランドの責任者として転職しました。担当ブランドのターゲットではなく、化粧品の知見も深いとは言えませんでした。でもマーケティング部門のリーダーはモノガタリを提案するだけではなく、成果を出せる強いチームをつくることこそ仕事です。だから、ユーザーのことがわからない状況でのこの経験は、CMOになるためには有効でした。
CMOになる夢は、2023年の終わりに、前職のゴンチャ ジャパンで叶えました。2024年にドミノ・ピザジャパンに入社し、「いい日、ドミの日。」キャンペーンや、期間限定商品「海老vs蟹 クワトロ」を企画したり、マーケティング戦略を更新したりと、やりがいのある日々を過ごしています。また、90を超える国際市場で展開するグローバルブランドなので、世界中のCMOとの意見交換にも大きな刺激を受けています。そして、次の野望はグローバルCMOに。随分と大きなことを言いますよね(笑)。でも夢は見るものじゃなく叶えるもの、叶ったらまた次の夢を描く。自分の夢の到達点はここじゃないんです。
ドミノ・ピザは2019年に宅配ピザ業界の売り上げと店舗数で日本一を獲得しました。でも日本の外食産業のシェアで見れば、ピザはわずか2%ほど。私はこの残り98%に挑みたい。そして、この先もモノガタリが続けばいいなと思います。
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