人事改革で「望まない転勤」解消を目指す、三井住友海上火災保険

若手社員の54.4%が「住みたい場所に住めない」、社外への実態調査で判明

三井住友海上火災保険は、就活生の多様なキャリアやライフスタイルを尊重する「地元LOVE & PRIDE採用」プロジェクトを推進している。初期配属先として希望する都道府県ごとの採用選考を実施。都道府県ごとの内定予想倍率を開示し、就活生に都市部以外の選択肢を示す。「望まない転居・転勤」の解消に向けた異動の原則公募制も導入し、全国のポストへの異動に何度でも挑戦可能にした。人事改革によって社員一人ひとりが自分らしい生き方を「自ら選べる」会社を目指すほか、社外への宣伝広告を通じて社会全体で実現する考えだ。

実データ グラフィック 「地元LOVE & PRIDE採用」プロジェクトKV

「地元LOVE & PRIDE採用」プロジェクト。自身が愛着と誇りを持てる場所で仕事に向き合う意志を「自ら選んだ土地で『旗』を掲げる」姿として表現

同社は2024年度から人事改革に着手した。全国転勤型の社員が各拠点の事業活動を支えていたが、人事改革に着手した際に、全国転勤型の社員の多くが望む土地で働くことができていないことが分かった。

「望まない転居・転勤」の解消に向け、「真にその土地で働きたい」という社員・人材の確保が急務であると認識。全国各地の採用数を増やし、一方で人気のある都市部の採用数を抑える方針を決定した。

人事改革の一環で、異動の原則公募制も導入。管理職を含む全国のポストへの異動に何度でもチャレンジ可能にした。社員の希望に沿った配置が実現することで、異動への納得感が増すとみている。キャリアが自由になる分、社員自身の努力や成長によってキャリアをつかみ取る必要が出てくるため、「最終的には、社員一人ひとりの成長が加速し、当社の総力が増していく」としている。

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