あけましておめでとうございます。
近年、私たちは大きな変化の中にいることが当たり前になってきています。
気候変動に伴って、大規模な自然災害の頻度は高くなり、自然環境と人間の存在を考える機会が増えています。AIなどテクノロジーの変化は、産業や学術としてだけではなく、日常に浸透し既存の価値観を大きく揺さぶり、その結果、私たちは、変わるものと変わらないものの選定を余儀なくされています。
これらの大きな変化は、私たちの根本的な存在価値を問い直すきっかけを投げかけているように思います。
世の中に正解のない問いがあふれ、社会や生活者の内在する多様な想いが行き場を探しています。私たち博報堂DYグループは、一人一人がもつ他の誰かとも違うその想いをつぶさに観察し想像します。社会を動かし未来をひらくのは、いつも生活者や企業の想いだからです。
私たちの存在意義や働くことの意味を明確にするために、世界30以上の国と地域にまたがる28,000人を超える社員の総意として、昨年グローバルパーパスを策定しました。
「生活者、企業、社会。それぞれの内なる想いを解き放ち、時代をひらく力にする。Aspirations Unleashed」
想いを形にすれば、行動が生まれ、文化になります。私たちは、意志や情熱や希望や野望や理想をつなぎ、時代をひらく力にする第一歩を力強く踏み出します。
生成AIの登場によって、テクノロジーと人間の関係は大きく変わり始めています。私たちは昨年Human-Centered AI Instituteを設立しました。AIは効率や正解を求めるツールではなく、人間と共に問いを立てるパートナーだと位置付けます。AIは生活者の内なる想いを理解し、具体的な形にするための強力な相棒となっていきます。AIとの共創によって人間のクリエイティビティを拡張し、新たな課題を発見し、新しい価値を創造します。
また、企業のマーケティングニーズも統合コミュニケーションだけではなく生活者データドリブンフルファネルマーケティングへと変化しています。私たち自身もこれまでの企業構造を再編し、2025年4月には博報堂と博報堂DYメディアパートナーズを統合することになりました。今後は、グループ企業それぞれの専門性をかけ合わせながら、最適なサービスを提供できる新たな挑戦への基盤を段階的に進化させてまいります。
私たち博報堂DYグループの価値創造の源泉となるのは、多様な人財と人間そのものを起点とする生活者発想です。社員が自分も一人の生活者であることを前提とした常識的でサステナブルな働き方を意識しながら、それぞれの内なる想いを解き放ち、生き生きとした人生をおくれる環境を整えます。そして、皆様と共に、世の中を明るく幸せで豊かにすることに貢献していきたいと思っています。
株式会社博報堂DYホールディングス代表取締役社長
兼 株式会社博報堂代表取締役社長
水島正幸