旧年中は、博報堂DYメディアパートナーズに格別のご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。
2024年を振り返りますと、社会、政治、経済、そして文化のあらゆる分野で大きな転換が見られた一年でした。政治では日米をはじめ多くの国々で指導者が交代し、スポーツでは大谷選手をはじめ日本のアスリートたちが世界の舞台で輝かしい成果を残しました。エンターテインメントでは、日本のコンテンツがグローバルで感動を生み、エミー賞受賞の快挙など、文化の力を世界に示しました。経済面では生成AIの革新が加速し、半導体産業を中心に経済成長が牽引された年でもありました。このような世界的な変化は、メディアやSNSを通じて瞬く間に拡散・共有され、生活者との情報・コミュニケーションのあり方にも新しい局面をもたらしています。
私たち広告業界も、これらの変化に呼応する形で大きな転換点を迎えています。2003年の博報堂DYメディアパートナーズ設立当初、広告会社の役割は主にメディアの効率的な仕入れやブランド認知・理解の向上でした。しかし、デジタル化が劇的に進んだ現在では、広告コミュニケーションは生活者データを活用し、プランニングに高度な技術が不可欠となっています。インターネット広告は運用型広告が主流となり、AIをはじめとするテクノロジーがあらゆる広告領域に広がっています。クライアントから求められる成果も、従来のコミュニケーション効果からマーケティング効果へと明確にシフトし、広告を通じた「成果の予測・可視化」が強く求められる時代となりました。
今年2025年4月、博報堂DYメディアパートナーズと博報堂は統合し、新たなビジネス環境に適応した体制でスタートします。これまで私たちが培ってきた「メディア/コンテンツビジネスの強み」と、博報堂のフロントラインが一体となることで、データドリブンマーケティングとコンテンツドリブンマーケティングを力強く推進する体制を構築します。また、AIテクノロジーを積極的に活用し、メディア領域からクリエイティブ領域に至るまで業務変革を進めるとともに、新たな挑戦を重ねてまいります。
クライアントが求めるマーケティング効果を最大化するため、成果の「可視化」と「予測化」にさらに注力し、そして、メディアやプラットフォーマーの皆様とは、広告収益だけにとどまらず、コンテンツを軸とした新しいビジネス開発にも積極的に取り組んでまいります。
私たちは、クライアントの皆様、メディアパートナーの皆様に、より良いサービスを提供し、期待を超える価値を創出する企業を目指します。
引き続き、皆様のご支援とご指導を賜りますよう、お願い申し上げます。
2025年元旦
株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
代表取締役社長 矢嶋弘毅