感覚やひらめきに頼らない、体系的コピーライティング

「発想力がなくても、テクニックがあればコピーは書ける」と断言する、コピーライターの下東史明氏。自身も発想力が弱い人間だとしながらも、様々な賞を受賞し、誰もが聞いたことのあるコピーを多く生み出している。

 

今回は、下東氏が担当する講座「コピーライター養成講座 下東史明コース」で伝えているという、コピーライティングの機械的なテクニックとはどのようなものかを解説します。

「ワーディング」こそがコピーのすべて

下東氏はテクニックとは何かについて、野球を例に「適当に打って打率が高い人もいれば、テクニックが分かったうえで打率が高い人もいる」と説明する。感覚だけで打っていても再現性は低いままだが、テクニックが身についていれば、ヒットを打てる可能性がグッと上がるのだ。

そもそも発想力という言葉が抽象的であり、何をもって発想が豊かであると言えるかは難しいところだという。そのため、発想力自体が鍛えられるかどうかはわかりかねるとし、明確に存在するテクニックを身につけ、磨くことで、その結果発想力が豊かになるのではないかと続ける。

コピーというものは、お題・問題があり、それに対する回答であると続ける。どう問題を解くかには、使い方が明確なテクニックが存在する。問題のパターンごとに使える・使えないが決まっている機械的なテクニックだ。このテクニックを身につけた後で、“ワーディング”のトレーニングを重ねることが、コピー上達への道だという。

下東氏は、このワーディングこそがコピーのすべてだと結論づける。ワーディングとは、別の言葉に言い換えること、また、その上手さのことだという。例えば、「おいしい」を「うまい」と表現するのか、英語で「デリシャス」と表現するのか、その言葉のもつ意味を何もぶらさずにどのように言い換えるかである。

また、コピーの役割とマーケティングの役割についても解説する。「その商品の良さを単に伝えるのではなく、様々な切り口から考えて言葉にしなさいと言われるが、切り口はマーケティングの範囲」であるといい、コピーにおいては切り口について考える必要はあまりないと続ける。というのも、切り口=ターゲットというものはあらかじめ決められていることが多く、自由に決められることは少ないからだ。

そこから、話はより具体的なワーディングのテクニックに移っていく。生まれてから触れてきた日本語の単語、テキストに多少のボリュームの差はあれど、私たちの頭の中に格納されている単語や言い回しは、大きくは変わらないはずだと語る。しかしその中には、自分の中にあって「すぐに取り出せる言葉」と、すぐに引き出せない「知っていても出てこない言葉」の2種類があるという。

例えば英会話で、言いたいことがあってもそれが出てこない状況をイメージしてほしい。その単語を教えられると「なんだ知っていた」となるが、この単語が出てこない瞬間というのが、コピーライティングにおいてはたくさんある。

自分の頭が図書館だとしたら、入口近くにあるものはすぐ出せて、奥にあるものはなかなか出せない。なるべく奥のものを出せるようにしておくトレーニングをすることが、いいコピーをスムーズにつくるための近道だ。

「必ずしも体系的にコピーを学ぶ必要はない」とも下東氏は語る。「一部の天才は何もしなくても難しい因数分解を解けるかもしれないが、我々凡人はある日突然できるようにはならない。だったら数学のように、体系的において学んだ方が確実。僕は基本的に楽をしたいので、体系的に学んだほうがいいと思っているけど、自分流でやっても面白いし、新鮮な発見があると思う」

――本インタビューの全編は、宣伝会議公式YouTubeにて公開中です。是非ご覧ください。

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