【業界専門コンサルタントが解説】20代から知っておきたいキャリアメイク術|Vol.1広告業界の営業職

中堅広告会社ならではのメリット

中堅規模の広告会社で働くことを好む方もいます。お話を聞いていると、「大手と比べて仕事の領域が幅広く、裁量が大きい」という実感があり、仕事内容にやりがいを感じている方が多いようです。また、「成長中で勢いのあるクライアントと組んで、社長や経営陣と一緒に新しいブランドをつくり上げる醍醐味は、利益重視の大企業では得られない」と教えてくれた方もいました。

また、「社風/人間関係」に関しても、中堅規模の会社であれば当然、社員同士が顔と名前を覚えており、一体感を持ってプロジェクトが進められます。一方、大手では同じ会社の社員といえども「はじめまして」の名刺交換から始まることもあります。

給料や労働環境については、大手企業のほうが良い条件であることが多いのは確かですし、いわゆる「キャリアアップ」の指標とされることも多いです。ただし、誰もが無条件にそれを目指すべきだとは私は思いません。たくさんの方のキャリアを支援してきて、すべてが理想の企業などないと痛感しています。自分が本当に重視するポイントにフォーカスすることが、仕事を充実させるために重要です。

事業会社への転職と成功の秘訣

広告業界から事業会社への転職を希望する方もいると思います。マスメディアンでも、広告業界の経験を生かせる事業会社の広報・マーケティング、販促、Web担当などをはじめ、SaaS/IT企業の営業職やマーケティング職への転職をご支援することが増えています。

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そのようなキャリアを希望される方に、私がまず尋ねるのは「事業会社のことをどれくらい知っていますか?」という質問です。

事業会社の魅力として多くの方が挙げるのは、1つの事業やプロダクトに深く携われる点、同じ事業目標を持って一丸となって働ける点、労働環境を改善しやすい点などです。

その反面、社外からはなかなか見えづらいのですが、仕事の進め方は広告業界とは大きく異なります。広告会社は基本的にスペシャリストの集まりですが、事業会社の総合職では、広告・マーケティングと無関係な業務も任せられます。複数の部署との連携・調整が必要な場面も多く、社内の人脈づくりに苦労するケースもあります。

また、広告会社にいると、クライアントの宣伝部やマーケティング部が夢のような環境だと思われがちですが、実際に入ってみたら、

「事業部がクライアントで、やっていることは広告会社時代とほとんど変わらない」

「自分よりも発注先の広告会社の方が、給料が高い」

「社長が外部のスタークリエイターとツーカーの関係で自分には決定権がなく、進行管理業務になってしまっている」

などといった理由で、広告業界に戻りたいと相談に来られるケースもあります。

ギャップを防ぐためには、情報収集をし、自分が働く姿をイメージしてみることが重要です。「自分には合っている!」と思う方も、「やっぱりちょっと違うかも」と思う方もいると思います。自己分析をした上で、じっくり考えていきましょう。

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営業職の選考に関するアドバイス

どんなキャリアを描くとしても、広告会社の営業職には「コミュニケーション能力」が求められます。ただ、この能力は客観的に測りづらいものです。例えば、バスの運転手さんが10年間無事故・無違反をアピールすれば、どんな会社で働いている人でもスキルの高いベテランだとわかります。しかし、広告会社の営業職には、広く当てはまる評価基準はありません。

そこで、選考の場では、過去の実績が重視されます。大きなプロジェクトほど関わる人数も増えますので、採用担当者は、「ある案件で候補者がどんな役割を果たしたのか、案件のどこまで把握しているのか」を通じて、候補者のスキルを見極めようとします。つまり、スキルを理解してもらうためには、ご自身が関わった仕事を俯瞰し、整理しておく必要があります。実績は、社内賞や数値で示すことも有効です。

事業会社の採用選考ではなおさらです。人事担当者をはじめ、事業会社で働く方のほとんどは、広告やマーケティングの専門家ではありません。そのため選考の場でも、入社後にも、仕事の価値をわかりやすく伝える能力やプレゼン能力が求められます。

必見! 2025年広告業界営業職の採用動向

最後に、簡単に2025年の広告業界営業職の採用動向をお話しします。

2024年は企業規模を問わず、若手からマネジメント層まで採用活動は活発でした。2025年も、基本的には同じ傾向が続くと見られます。特に、デジタルエージェンシーは超積極採用と聞いています。

ただ、最大手クラスは少し違う動きをしています。コロナ禍では採用を抑制していたものの、2022年頃から未経験者を含めた積極採用をし、2024年はそこで採用した社員の教育・育成に力を入れるためにターゲットを即戦力層に絞っていたようです。2025年も、引き続き募集は行われるものの、要件は高いままだと考えられます。

キャリア形成を考える営業職のあなたへメッセージ

繰り返しになりますが、焦らず、将来の自分がどうなれば幸せなのかを考えることが、キャリア形成への第一歩です。しかしその幸せの形は、人それぞれに異なります。もし私が「将来、大手企業のマーケターや、経営層として活躍したい20代の方」にアドバイスするなら、自己投資としてハードな環境に飛び込むことを勧めますが、「子育てに時間を使いたい40代の方」にはスキルが活かせて残業時間が少ない会社を勧めると思います。いわゆるキラキラした経歴でもそうでなくても、まずは自分について理解することで、自己実現につながる素敵な未来が開けるのではないかと思います。

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必見・キャリアのツボ集 by マスメディアン
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