今回の騒動がテレビからデジタルへの広告シフトを加速させる可能性について、影山教授は、シフトする動きが加速する可能性は否定できないが、目に見えてチェンジするまでには時間がかかるだろうと見ている。テレビが完全に取って代わられることはまだないが、重要なのは、各テレビ局の自浄作用がどれだけ続くかであると指摘。「テレビ業界が変わる最後のチャンスと考え、企業努力が求められる」と述べた。4月以降、他の放送局への出稿が増加し、競争が激化すると予想される。
影山教授は、「穏便」という価値観が日本人にとって良いイメージを持たれやすい一方で、現代社会においては必ずしもプラスの印象を与えるとは限らないと指摘。今後、このような事態が発生した際には、迅速に対応するだけでなく、具体的な対策を打ち出すことが重要だという。「企業が不祥事を起こした際には、『抽象的な物言い』に終始することが多いが、より具体的で分かりやすい説明が求められる」と話した。
影山貴彦教授は、毎日放送(MBS)のプロデューサーを務めた経験を持つ。専門は「メディアエンターテインメント論」。コラム連載には「影山貴彦のテレビ燦々」(毎日新聞)などがあり、著書には「テレビのゆくえ」や「おっさん力」がある。
