2シーズンにわたる広告展開で物語を描く
パルコは、2025年春シーズン広告に香港出身の写真家「レスリー・チャン(Leslie Zhang)」を日本企業で初めて起用した。春夏ファッション立ち上がりの広告キャンペーンとして、国内外にブランドを発信するため、海外でルイ・ヴィトンやプラダといったラグジュアリーブランドの広告を手掛ける同氏を起用。15秒のスポット広告と1分45秒のムービーは、90年代の上海で手紙のやり取りをする2人の人物に焦点を当てており、SPRINGとSUMMERの2つのシーズンを通して一つの物語を描いている。
2025SPRING広告のアザーカット
広告は、伝統と新しいものが交じり合う90年代の上海を舞台に、似たもの同士の2人が手紙を通じて出会う物語。情報が錯綜する現代において、日常の中にある美しいものや、日常への祝福を描く。海外のファッション誌などにも出稿している。
SPRINGとSUMMERの2つのシーズンを通して一つの物語を表現する予定で、今回公開された約2分のSPRINGムービーでプロローグ、後編となるSUMMERムービーで物語のエンディングが描かれる。宣伝部の手塚千尋部長は「映画のように楽しんでいただければ」と話した。
PARCO 2025 SEASON CAMPAIGN「春叙」SPRING SEASON
手塚部長は「パルコの広告は、その時代のコンテクストを取り入れることを強く意識している」とし、「今の時代を定義し、そこで必要な要素、表現すべき内容を考えてから、それを表現できるクリエイターを見つける」という流れで制作しているという。今回は、誇張された虚構の現実ではなく「ナチュラルな日々の生活や日常の機微に着目するような表現をしたい」という提案を基に、レスリー・チャンが作り上げたとしている。
レスリー・チャンは1992年、中国・揚州で生まれた写真家で、中国の伝統とジャンルを超えた現代文化を融合させた大胆な作風が特徴。2018年のBritish Fashion Awards「New Wave: Creatives」(ファッション業界で最も注目すべきクリエイター100人)などにも選出された。
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