消費者庁は、東亜産業に対して、景品表示法に基づく1651万円の課徴金納付命令を出した。対象となったのは「ウイルスシャットアウト」と称する首下げタイプの二酸化塩素発生装置に関する表示で、同商品を身に着けるだけで周囲の空間のウイルスや菌を除菌できるかのようにうたっていた。
「首にかけるだけ」でウイルスを除菌できるかのように表示
同社は2020年2月26日に、自社Webサイトにおいて、商品と周囲に浮遊するウイルスや菌のイメージ画像などと共に、「二酸化塩素配合の除去・除菌成分が周囲に浮遊するウイルスや菌を除去します。」「首にかけるだけで空間の1ウイルスを除去!」などと表示。同年2月27日には「楽天市場」の自社Webサイトにおいても、商品を首にかけた人物の写真と共に「ウイルス対策 塩素成分で空間の除菌」など表示していた。
同社は消費者庁に当該表示の裏付けとなる資料を提出したが、合理的な根拠を示すものとは認められなかった。自社Webサイトでは「※使用環境によって効果が異なります。」と表示していたが、商品の効果に関する認識を打ち消すものではないと判断された。
東亜産業は1996年9月に創業された。精密機器、衛生用品、食品など、様々な事業を展開している。資本金は9000万円で、2022年8月期の売上高は355億円。同年8月末時点での従業員数は、アルバイトを含めて2770人。グループ企業には東亜製薬やFuture Technologyなどがある。
改正薬機法は、2020年から2022年にかけて3段階に分けて施行された。2021年8月には、誇大広告などの違反者に対する課徴金制度が導入された。消費者庁は2020年3月から、新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする健康食品や空間除菌商品などについて、景品表示法や健康増進法の観点から改善要請や注意喚起を行っていた。
