創味食品の「だしのきいたまろやかなお酢」(以下 だしまろ酢)は、2024年11月に劇場アニメ『ベルサイユのばら』(原作:池田理代子)とタイアップした「オスカル、お酢かえる!?キャンペーン」を開始。今年2月より、大阪・御堂筋線や阪急宝塚線をはじめ、名古屋・東京でも車内ジャックを開始し、そのコピーが話題を集めている。
この企画では、キャンペーン名である「オスカル、お酢かえる!?」をはじめ、「マリー・アントワネット、略してマリネよ!」「普段酢革命」など、広告コピーがすべて「お酢」に関連する言葉になっているのだ。
「『だしのきいたまろやかなお酢』はこだわりの国産素材を使った調味酢です。この商品を一度は試してもらいたいというクライアントさんの思いを伺い、提案を行いました」と、クリエイティブディレクター 安本一優氏。提案作業の段階では、まだ『ベルサイユのばら』とのタイアップは決まっていなかったという。
「『いままで使っていただいていない人にもだしまろ酢を試してもらう』、このスイッチを促すのに、真面目なメッセージでは届きづらいと思い、いかにチャーミングに、スピードを上げて伝えられるかを考えました」
ちょうどその頃、制作チームは2025年1月に『ベルサイユのばら』の映画公開があることを見つける。
『ベルサイユのばら』は池田理代子原作で、1972年より「週刊マーガレット」(集英社)にて連載され、現在累計発行部数は2000万部を突破。宝塚歌劇団による舞台化やTVアニメ化もされるなど、不朽の名作として知られている。アプローチしたいターゲット層にも適していることから、この不朽の名作を軸に企画を開発。その中で見つけたのが、「オスカル、お酢かえる!?」「ふだんのお酢を変える、普段酢革命!」という言葉だった。
「不朽の名作の世界観を借りながら、『だしまろ酢を試してもらいたい』というメッセージを楽しく届けられると考え、『ベルサイユのばら』との企画を提案しました」
そして、2024年11月には3タイプのテレビCMを開始。店頭に並ぶだしまろ酢の商品本体につくPOPシールは、『ベルサイユのばら』の登場人物と言葉で彩られた。そして、SNSに自分の名前と共に「オスカエル」と宣言すると、フランス旅行が当たるキャンペーンに参加できる企画も始まっている。
「予告編風」篇
「かえる、かえない」篇
「悲しみの廊下」篇
今回の広告の見どころは、オスカルやマリー・アントワネットという不滅のキャラクターたちが、クールなまなざしのまま「お料理が苦手ならだしまろ酢にすればいいじゃない」「だしまろ酢にお乗り換えください」などと「お酢」について語る姿だ。
©池田理代子プロダクション/ベルサイユのばら製作委員会
「一見、距離のある『不朽の名作』と『こだわりのお酢』。この2つを言葉で強引に接着することでギャップを生み、思わず突っ込んでしまう余白を作ることを目指しました。また、物量でも説得力を持たせられればと思い、調理例から、日々の料理を作ることへの肯定まで、様々なテーマのコピーを探りました。
結果、SNS上では多くのツッコミが生まれ、楽しんでもらいながらも伝えたいメッセージを届けられたのかなと思っています。またキャンペーンの一環として、創味食品さんが用意してくれたフランス旅行も『一度は試してほしい』という本気の姿勢として伝えられたと思います」
特にXでは、ある一般の人の投稿に12万いいねがつくほど、盛り上がっている。また、店頭で6種類展開しているPOPのコピーに注目する人も多く、SNSにはこちらの投稿も多い。
「『ベルばら』と『お酢』というギャップに対するツッコミから、実際に使ってみたいという反応まで引き出せたのは良かったと思います」
『ベルサイユのばら』にちなんだフランス旅行が当たるキャンペーンは、2月14日まで実施している。

スタッフリスト
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広告会社
ADKマーケティング・ソリューションズ+ADKクリエイティブ・ワン
SCD
山崎雅之
CD、企画、C
安本一優
C
勝山葉月
AD
後藤浩文
アクティベーションプランナー
金瀬侑也
AE
吉田潤平、宮崎正太郎、岡田直樹
OOH | |
D | 石原千明 |
PR | 熊倉伸吾 |
TVCM | |
PR | 三木健太郎 |
演出 | タサキタカ・ユキ |
撮影 | 森脇学 |
CG・アニメ・イラスト | MAPPA |
NA | 沢城みゆき(オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ)、枝村みどり |
MA | 江添友彦 |
編集 | 上田鉄平 |
キャラクター | オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ |