タピオカブーム後も、 「ティー文化」を広げることで業績を伸ばすゴンチャ ジャパン と、コロナ禍を経て「ベーカリーカフェ」へと回帰し、さらなる成長を遂げるサンマルクカフェ。時代に合わせた変化が求められる中、自社のブランド価値をどのように捉えて事業を推進しているのか。
2024年11月28日、29日に開かれた「宣伝会議サミット2024」で、ゴンチャ ジャパン 代表取締役社長の角田淳氏、サンマルクカフェ代表取締役社長の鎌田滋之氏が登壇しました。
――「ゴンチャ」「サンマルクカフェ」の現在の展開についてそれぞれお聞かせください。
角田:ゴンチャはタピオカブームに乗ってブランドの認知が上がりましたが、お茶文化を社会に広めたいという思いを台湾での創業時から持っていました。
ゴンチャ ジャパン
代表取締役社長 角田淳氏
大手自動車メーカー勤務、独立してスポーツや音楽イベントの企画運営・マーケティングに携わったのち、2010年日本サブウェイに入社。マーケティング・経営企画などを経て、2016年社長に就任。2021年10月、ゴンチャ ジャパン代表取締役社長に就任。デジタルシフトへの注力、売上につながる顧客&従業員ロイヤルティ(推奨度)に着目したプロジェクト『Happiness Project』の発足などを主導し、年間来客数3000万人超えの成長を導く。
日本のお茶市場の商材にはペットボトルやティーバッグのお茶などがありますが、それらはコーヒーの市場とあまり変わりません。一方でお茶をメインとしたカフェは、コーヒーの店と比べると圧倒的に少ない。一方でお隣の中国には様々な業態で50万店ぐらいあると言われています。
そうした市場を日本で展開していくために、どうすれば消費者にお茶を扱うカフェの魅力を感じていただけるのか。そこで大事になってくるのが、「唯一無二(One and Only)」という立ち位置を築くことだと考えています。
日本ではお茶は食事中に飲まれることが多く、無糖が基本。他国で親しまれているような、ミルクや砂糖を入れるような飲み方はあまり馴染みがありません。日本でも新しいお茶文化として、そうした飲み方を提供することを目指しました。もちろん、パール(タピオカ)をトッピングしたティーもゴンチャの軸であるお茶文化からくる一つの魅力なのではないと思います。