フジテレビはどこで対応を誤った? 危機管理と謝罪会見を評価する

写真 風景 1月27日に開かれた記者会見

1月27日に開かれた記者会見

リベンジ会見「ベスト尽くした」との評価も

━━1月27日の「やり直し会見」についてはどのように感じましたか。

絵里子:27日の会見はリベンジの場だったはずなのに、トップ辞任以外は何を発表するかさえ不明瞭。10時間にも及んだのは、前回の反省からすべての質問に答える方針だったからでしょうが、公表事項を事前に資料として配布したり、質問のルールを明確にしたりすることでもっと短くすることはできたのでは。そもそも、週刊誌報道を受けて12月中に対応できていれば、こんなことにはならなかったのに。

仁志:会見の対応、僕はある意味成功だったと考えているんです。この時点でのベストを尽くした、という意味ではありますが。

記者の来場をフルオープンにしたのは、危機打開への一歩として評価できる面もあります。謝罪や状況説明、第三者委員会による原因究明、再発防止策、責任所在など、ひと通り説明できていました。言い方が弱かった部分もありますが、しつこく質問を繰り返すジャーナリストより、フジ経営陣の方がまともに見えたのも事実。翌日に文春が訂正記事を出したのも大きかったですよね。ただし、17日の時点でこれだけの対応ができていれば、ここまで泥沼化しなかった可能性はあります。

信之:広報担当のリスク広報に関するマインドや意識が高くても、経営者がそれを理解していなければ、結局失敗するものです。今回の場合、経営者が閉鎖的な思考だったことで対応が後手に回り、結果的に大炎上しました。過去の事例を見ても、ワンマン経営で極端なメディア嫌いの会社は、不祥事が勃発した際に経営者が社会的に葬られてきました。ビッグモーター、ジャニーズ……。最近では兵庫県知事選のPR会社代表のように雲隠れするケースもありましたね。

また仁志さんも触れていましたが、今回の会見で気になったのがフリーランス記者のお行儀の悪さ。そもそも、冷静かつ客観的な視点で真実に迫るのが記者のミッションのはず。不祥事を起こした企業であっても人権の尊重はもとより、ハラスメント行為はメディアであっても許される行為ではありません。企業の広報担当にとっては、こうした会見に招集する記者をどうすべきか、新たな課題が顕在化しました。記者クラブや団体を通じて、しかるべきメディアだけに案内ができる仕組みが欲しいですよね。そうしたことを加味しても、本当に17日が命取りだったと思います。

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