スピッツ『美しい鰭』をデジタル戦略で3億回再生に導いた、ユニバーサル ミュージックのR30のホープ

次世代を担う若手マーケター・クリエイターを紹介する月刊『宣伝会議』の連載『R30のホープたち』。新たな時代を担うホープたちはどのようなポテンシャルを秘めているのだろうか。今回は、ユニバーサル ミュージックで活躍する高瀬実奈さんに話を聞いた。
※本記事は月刊『宣伝会議』3月号の転載記事です。
avatar
高瀬 実奈さん

ユニバーサルミュージック
Polydor Records
A&R MP本部 デジタル戦略部

2018年に新卒で広告会社に入社、営業として高級車ブランドのデジタル業務を担当。2021年、ユニバーサルミュージックに入社。邦楽レーベルPolydor Records所属アーティストのストリーミング配信など、楽曲のデジタル戦略の企画・立案などを担当。

注目のマーケティングキーワード「水平思考」

前職の広告会社時代に、水平思考の重要性を学びました。ロジカルシンキングは、最短で答えにたどり着くために必要な思考法です。ただ、クリエイティブや創作に関する仕事においては、似たような施策に落ち着いてしまうこともあります。固定観念を疑い、突飛な思いつきや大喜利のような発想からひとつのアイデアにまとめていく思考は、音楽業界でのマーケティング戦略を考えるために大事なポイントだと思っています。

デジタル戦略のプロとして異業界の音楽業界へ転職

音楽制作や音楽出版、映像コンテンツなど音楽に関わる幅広い事業を展開し、世界中でヒット作品を数多く届けているユニバーサルミュージック。同社の邦楽レーベル「Polydor Records」でデジタル戦略を担当しているのが、入社4年目の高瀬実奈さんだ。新卒で広告会社に入社し、国産高級車に関連するデジタル広告の営業を担当していた。音楽業界への転職を決意したのは、コロナ禍がきっかけだった。

「幼い頃からピアノや作曲、ストリートダンスなど、ずっと音楽に携わってきました。コロナ禍で自分の人生について改めて考えるなかで、限られた時間を思い切り仕事に費やすなら、より情熱を注げる音楽の仕事がしたいと考えるようになりました」。

そこで、2021年にユニバーサルミュージックへ中途入社。Polydor Recordsのデジタル戦略部に配属され、所属するアーティストの新譜などの作品に関する情報の各DSP(デジタル音楽配信事業者)とのリレーション業務や、デジタルキャンペーン業務などを担当。主要リリース作品については、プロジェクト開始時から深く関わり、ヒットを目指して活動している。

アーティストの価値観を守りつつデジタル戦略を推進

2023年1月からは、4人組バンド「スピッツ」のデジタルプロモーションを担当している高瀬さん。「スピッツのような国民的ロックバンドのデジタル戦略を担当させてもらえるとは思っていなかったので、最初は驚きと不安でいっぱいでした」と当時を振り返る。

高瀬さんがスピッツのデジタルプロモーションで特に意識したのは「スピッツらしさ」を守ることだ。「スピッツは30年以上もの間、多くの人に愛されているバンドです。楽曲はもちろん、バンドとしての姿勢や価値観も、幅広い世代に支持されています。デジタル戦略を展開する上でも、まずスピッツがどのようなバンドなのかを理解し、大切にしながら進めていくことが重要だと考えました」。

実データ グラフィック スピッツのシングル『美しい鰭』(左)と17th Album『ひみつスタジオ』(右)のジャケット写真。

高瀬さんが担当するスピッツのシングル『美しい鰭』(左)と17th Album『ひみつスタジオ』(右)のジャケット写真。

…この続きは1月31日発売の月刊『宣伝会議』3月号で読むことができます。

Amazonでの購入はこちら
宣伝会議デジタルマガジンはこちら

advertimes_endmark

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ