音声読み上げに特化したレシピサイト 味の素、視覚障害者の協力で開発

約半年間のヒアリングと試行錯誤を重ねて構築

味の素は2月19日、視覚障害者向けの料理レシピサイト「音でみるレシピ SOUNDFUL RECIPE」を公開した。一般的なレシピサイトは画像や映像が中心であり、視覚障害者にとって利用しづらいという課題がある。これに対応するため、コミュニケーションに関する調査・研究事業を手掛けるダイアローグ・ジャパン・ソサエティや全盲の視覚障害者の協力のもと「音声読み上げ」に最適化した新しいレシピサイトを構築した。

2月19日時点で30のレシピを公開。今後も利用者の声などを参考にサイトをブラッシュアップしていく方針で、3月までに100点のレシピを公開するとしている。プロジェクトのメイキングムービーも公開している。

写真 人物 料理が好きな全盲の川端美樹氏

料理が好きな全盲の川端美樹氏

視覚障害者がスマホでWeb情報にアクセスする際は、「音声読み上げ機能」を活用する。全盲の人もこの機能を使い、多くの人が日常的に料理をしているという。一方、通常のレシピサイトは余分なテキスト情報が多く、必要な情報にたどり着くまでに時間がかかるうえ、画像など音声読み上げに対応していない情報も多い。

利用者の障害の有無や年齢などの環境にかかわらず、利用しやすいWebサイトを目指すことは「Webアクセシビリティ」と呼ばれ、デジタル庁が向上に取り組んでいる。一方、ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ代表の志村季世恵氏は「視覚障害者向けのサイトは普及しつつあるが、そのことが十分認知されていない」と課題を指摘する。

サイト開発に協力した全盲の川端美樹氏は「料理レシピに限らず、コンパクトなサイトが少ない」と述べ、動画や広告が利用の妨げになっていると話す。視覚障害者の利用を意識したアクセシビリティ対応のサイトが存在しても、トップページの下部に配置されているため、すぐに見つけられないことがあるという。

中にはアクセシビリティの高いサイトにたどり着けないことが原因で、料理をあきらめてしまうケースもあるという。志村氏は「視覚障害者の中には、自分が料理と無縁だと思っている人もいる。特に、途中から視力を失った人は、以前できていたことができなくなり、あきらめてしまうことが多い」と指摘する。

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