シンプルなデザインの「音でみるレシピ SOUNDFUL RECIPE」
味の素は企画立ち上げから約半年間にわたり、視覚障がい者へのヒアリングを実施。十数人の意見を参考にサイトの構築を進めたが、約3回の大幅な作り直しと、数えきれないほどの細かい修正を重ねる必要があったという。
これまで視覚障害者向けのレシピサイトが普及しなかった理由について、味の素マーケティングデザインセンター コミュニケーションデザイン部 クリエイティブグループの赤坂由美子氏は「ヒアリングや試行錯誤に時間をかける覚悟がなければ実現できなかったのだと思う」との見解を示した。開発で大変だったことについて「私たちが見えている世界と、視覚障害者が見えている世界は異なる。何が本当に使いやすいのかを突き詰める中で、その答えを導き出すことが最も難しかった」と振り返った。
企画が始動するきっかけとなったのは、視覚以外の様々な感覚やコミュニケーションを楽しむソーシャル・エンターテインメント「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」だった。赤坂氏を含む社員が、川端美樹氏ら視覚障害者の案内のもと、暗闇空間を体験。その結果「視覚がない状態を体験する中で、案内してくれた人々が生き生きと活動する様子を通じて、視覚以外の情報を活用することの素晴らしさに気づいた」とし、新レシピサイトの企画に至った。