ワークマンは、女性をターゲットにした「ワークマン女子」を、「Workman Colors」に改名する。「Workman Colors」限定の専売品を拡充する方針で、今年の秋冬で6割、2026年に8割を目指す。従来の「ワークマン女子」は女性向け、既存店は男性向け中心のラインナップだったが、女性向けのトレンド製品を強化しつつ、男性向け普段着などベーシック商品も充実させる。3月7日に「ワークマン女子」1号店である「コレットマーレ店」(横浜市)を全面改装し、「『Workman Colors』コレットマーレ桜木町店」としてオープンする。
11月末までに、新規40店舗と改装13店舗のオープンを目指す。今後は毎年40店舗のペースで新規出店を進め、2032年には400店舗の展開を目標とする。
「Workman Colors」のアイテムを身に着けたモデル。子ども向け商品も本格的に展開する
「Workman Colors」の店名は、2023年にオープンした実験店「ワークマンカラー イグジットメルサ銀座店」に由来する。「ワークマン女子」から改名してオープンした結果、売上が2割増加したという。新たに展開する「Workman Colors」はデザイン性重視の銀座店とは異なる形態で、男性向けの快適な普段着やファミリー志向の製品を充実させる。
今回の改名について、一部メディアで「女子店撤退」など、迷走を指摘するような反応もあったという。しかし実際には、2020年から展開している「ワークマン女子」は、「ワークマン」や「ワークマンプラス」といった既存の店舗と比べ、1店舗当たりの売上がもっとも高いという。カジュアルな商品を取り扱うことで、既存店以上に幅広い客層が利用していることが奏功している。
営業企画部兼広報部の林知幸部長は、「『ワークマン女子』のままでも十分に商売になったと思う」と手ごたえを強調する。
一方で、これまで都市部を中心に展開してきたが、約1年前から人口の少ない地方への出店も増えており、そうした地域で販売数を伸ばすには男性客の取り込みが必要だと判断した。また、コロナ禍で隆盛したアウトドアブームが落ち着いたことも、客層の拡大を目指す要因となった。「ワークマン女子」全体の売上は伸びているものの、オープン2年目以降は好調の反動で売上が下がる店舗も多いという。
そこで、ベーシックな普段着のラインアップを充実させた「Workman Colors」へと移行することとなった。男性向けの商品を強化するにあたり、「女子」のままでは男性が入店しにくいため、店名を変更した。