「Workman Colors」では様々なシーンで使える「万能パンツ」などをそろえる
こうした業界の流れが存在する中、ワークマンはあえて「逆張り」を試みるという。競合店との大きな違いは、販売形態がフランチャイズ方式である点で、地方での出店拡大には、地域に雇用を生み出すという貢献の意図もあるという。ワークマンの商品は機能性が高く、災害に強い特長を持つため、災害インフラとしての役割も果たせると考えている。
さらに、男性向けの強化については、もともとワークマンが男性向けブランドとしての認知が高いことを活かし、市場において選択肢の少ない男性向けカジュアルウェアの需要を満たせるとみている。価格面での優位性も大きいと見ており、仮に競合他社が地方出店や男性向け市場に本格参入したとしても、「ワークマン=手頃で機能性が高いブランド」というイメージを先行して根付かせることで、市場での立ち位置を盤石にしたい考えだ。
価格面や機能性で強みを持つワークマンだが、一方で課題も残されている。フランチャイズ方式を採用しているため、過剰な在庫を抱えることが難しく、「在庫切れが多い」という声が口コミで挙がることもある。ワークマンはCMを放映せず、インフルエンサーの活用などSNS上での口コミ拡散によって新商品を周知している。そのため、予想を超えて売れる商品が出ることも多い。アパレル業界全体で課題となっている売れ残りの廃棄を減らすため、売り切れる量を生産する方針を採っていることも在庫不足の一因となっている。
そのイメージを解消するため、ワークマンは計画数量の見直しを進めており、1年目の売れ行きを分析した上で、翌年に十分な在庫を確保するなどの対策を講じている。需要予測の精度を高め、在庫切れを防ぐ工夫を推し進める。
競合との差別化や課題の克服を進めつつ、今後はインフルエンサーを活用したSNS戦略にさらに力を入れる方針。「EXILE(エグザイル)」とのコラボ企画なども展開し、ブランドの認知度向上や新たな顧客層の獲得を目指す。
