「テレビやめても良くない?」フジ問題が開けた広告主のパンドラの箱

テレビの存在意義を業界挙げて再考すべき

2月4日、日本アドバタイザーズ協会から「広告業界への緊急提言:信頼回復と健全な発展に向けて」という声明が出されました。

1.人権擁護の徹底、2.ファクトチェックの徹底、3.集団的暴力による被害の抑止、4.メディアリテラシーの向上、という4項目の提言から「広告は、人々に情報や喜び、感動を与えることができます。しかし、すべての人々が広のもたらす様々な利益を安心して享受するためには、広告業界全体に対する信頼が不可欠です。この緊急提言が、広告業界の健全な発展に貢献できることを願います」と結ばれています。

これには同意いたしますし、主に広報部をメインとした広告主に求められる姿勢に異論はありません。しかし、これは企業経営といった視点であり、「広告効果」がメインの宣伝部にとって今回のフジテレビ問題は、改めてそのメディアの役割を考え直す機会になってしまった気がしています。

ある意味「昔ながらの風習」が露呈してしまうことが最近多くあります。フジテレビの今後の対応が、「広告媒体」としてのテレビメディア全般に与える影響は大きいといえます。フジだけでなく民放連など業界を挙げて、広告媒体としてのテレビの存在意義とあり方を再考し、社会や広告主に示していくことが求められていると感じます。

余談ですが、毎度「経営責任を取って辞任しろ!」と迫るメディアですが、本来なら「経営責任を取って問題を是正するまで許さない」が正しいのではないでしょうか。「辞任させること」を自分の手柄としてきたメディアがいま「自己矛盾」に陥ってる気もするのです。いずれにせよ、いち早い信用回復とテレビメディアの存在意義を明確にすることを期待しています。

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岡田貴浩

おかだ・たかひろ/1961年京都府生まれ東京育ち。1984年慶應義塾大学卒業後富士重工業(現SUBARU)に入社。1992年~1998年、2007年~2013年に国内営業本部マーケティング推進部にて宣伝業務に従事。2008年宣伝担当部長、2010年マーケティング推進部長、2014年から2020年まで広報部長。その後関係会社のスバルテクニカインターナショナル取締役を経て2024年4月に独立しフリーランスマーケティング・PRアドバイザー業務を開始。


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