「自己満足の周年企画」より「進化」 50周年のジョージア、Ado起用の狙いとは

消費者生活に基づいた価値提案を重視したキャンペーン

日本コカ・コーラとボトラー各社は2月24日、「ジョージア」の新ブランドメッセージ「ジョージアで、私の今日が動き出す。」を開始した。ブランドアンバサダーに歌い手の「Ado」を起用。Adoの新曲「わたしに花束」をCMソングに起用した新CM「ジョージア×Ado 始動」篇を2月25日から全国で放映開始する。

キャンペーンでは一日の朝にジョージアを飲むことを提案する。新たにLINE公式アカウントも開設。朝の通勤通学時間帯にジョージアを配布するモーニングサンプリングキャラバンも全国7会場で実施する。

俳優の浜辺美波と歌い手の「Ado」(右)

同社の調査によれば、自動販売機での購買を含め、ペットボトルコーヒーがもっとも飲まれる時間帯は朝の6時から10時。そこで「朝一番のコーヒーとしてもっともふさわしいのはジョージア」という印象を消費者に持ってもらうことを目的としたコミュニケーションを初めて展開する。

コーヒーが朝に飲まれることは以前から知られていたが、今回初めてその点に焦点を置いた背景には、2023年春のブランド刷新がある。2023年3月に「五感を刺激するコーヒー体験」をコンセプトに、14年ぶりのロゴ変更など大規模なブランド刷新を実施。キャンペーンの方向性も転換し、それまで重視していた「競合との差別化」ではなく、消費者にとって価値のある提案を行うことに軸を移した。

RTD(Ready-to-Drink)コーヒー市場においてシェアを競い合うサントリー「BOSS」はビジネス面で意識しているものの、日本コカ・コーラ コーヒー事業部 事業本部長の朴英俊氏は「これまでのキャンペーンでは、競合と違った価値提供にフォーカスしすぎた結果、かえって消費者には価値が伝わりにくくなっていた」と振り返る。消費者の生活の中で、ジョージアの価値をより分かりやすく伝える方針に転換。今回のキャンペーンもその一環で、「朝にふさわしいコーヒーブランド」という明確な価値を訴求する狙いだ。

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