学生連携:Z世代が考えるスマートドリンキング(新しい飲み方)の実践
渋谷区を拠点とする複数の大学と連携し、適正飲酒を学ぶセミナーやワークショップを実施。学生たち自身がスマートドリンキングを体験し、新たな価値を生み出すことを目的に、企画立案から実践までを経験できるプログラムを展開しています。
2022年にセンター街の中心にオープンした「SUMADORI-BAR SHIBUYA」では、学生が考案したノンアル・ローアルドリンクメニューを店舗にて来店者が楽しむ機会を提供。文化服装学院とのコラボでは、ドリンクをイメージしたコーディネートによるファッションショーを開催し、ファッションと飲み方の多様性を掛け合わせた新たな表現に挑戦しました。活動を公にすることで、来街者など多くの人にその考え方を共有できた事例でした。
渋谷から始まったこの活動は、今や全国の大学に広がっています。年に1回渋谷に集合し、各大学での活動を発表し、学生同士が懇親する機会を提供することで、改めて学生が社会との接点をもつ、“産官学連携”プログラムの意義を体現しています。
地域連携:渋谷の街での取り組み
渋谷センター街や商店街と連携し、路上飲酒のマナー向上と、新たな飲み方の提案の推進も行っています。特に「SUMADORI-BAR SHIBUYA」では、スマートドリンキングの価値観を体験できる場として、飲む・飲まないに関わらず誰もが楽しめるドリンク体験や、飲み方の多様性を自然に広げる環境づくりを進めています。
さらに、渋谷区の「迷惑路上飲酒ゼロ宣言」と連携しながら、地域の清掃活動や啓発活動を実施。地元企業や飲食店と協力しながら定期的な清掃活動を行い、街の環境美化にも貢献しています。これらの取り組みを通じて、渋谷の街全体が一丸となり、責任ある飲み方の文化を根付かせる動きが加速していると考えています。
企業連携:多様なパートナーシップの構築
さらに、渋谷に拠点がある企業と連携し、オフィス・イベント・飲食店におけるスマートドリンキングの実装を推進しています。例えば、東急と協働した「スマドリセミナー」では、新入社員向けに適正飲酒セミナーを実施し、企業内での飲み会文化のあり方を共有しました。
また、味の素社・キユーピー社とのコラボレーションとして、「飲み方の多様性×食の楽しみ方」をテーマに、スマドリらしいペアリングメニュー展開やお酒に合う新しいフードメニューを提案。
さらに、アサヒビール、キリン、サントリー、サッポロのビール業界4社が共同で、渋谷区の「迷惑路上飲酒ゼロ宣言」に賛同し、同時に発信するといったこともありました。
SOCIAL INNOVATION WEEKでの発信(2022-2024)
渋谷未来デザインが開催する、ソーシャル&カルチャーデザインの祭典「SOCIAL INNOVATION WEEK(SIW)」は、本プロジェクトの発信と発表の場として重要な役割を果たしています。
2022年には、スマートドリンキングの概念を発信し、産官学民が飲み方の多様性について議論。2023年には学生との共創事例を発表し、社会実装への第一歩を示しました。
2024年には、Z世代の視点からスマートドリンキングの未来の提案や、文化服装学院の学生によるファッションショーを開催。さらに2021年に飲めない代表として参加したメンバーによる“同窓会トーク”を実施し、これまでの取り組みや社会の変化を振り返りました。
また本プロジェクトを参加する大学の先生方と産学連携のあり方の議論を通じて、このような活動をより深く社会に根付かせるための次なる一歩を踏み出しました。