新技術を取り入れた「ネスカフェ アイスブレンド」。瓶、つめかえパック、つめかえ用袋、スティックブラックの4製品を展開する
3月10日に発売する「ネスカフェ アイスブレンド」は、冷たい水やミルクに溶けやすい新技術「クリスタルフローズン製法」を採用している。スイス本社のR&Dセンターのアイデアを基に、日本の開発チームなどが連携して製品化。同製法を用いた製品の販売は日本市場が初となる。
日本での先行展開の背景には、ネスカフェブランドのコーヒーの消費量が多いことに加え、日本独自のコーヒー文化の存在がある。海外では、日本ほどアイスコーヒーの文化が根付いておらず、夏場でもホットコーヒーを飲む人が多いという。一方、日本では同社が1962年からアイスコーヒーに関するキャンペーンを展開し、市場の発展を促してきた。
海外においても、若年層を中心にアイスコーヒーを楽しむ人が増えている。同社は、日本市場での先行展開をきっかけに、アイスコーヒー文化を世界規模で広げていきたいと考えている。
小売店との連携により、アイスコーヒー専用の棚を通年で設ける動きもある。これまで春夏限定だったポーションコーヒーの一部が通年商品として取り扱われるなど、売り場での展開を強化。店頭での盛り上がりを促進するため、積極的にコミュニケーションを行っていく方針だ。
飲料事業本部液体飲料 ホワイトカップ&ミロ ビジネス部の吉永祐太部長
価格高騰などの影響でコーヒー市場においても消費者の行動変化が見られる。カフェで飲む以外に「コストパフォーマンス」(コスパ)や「タイムパフォーマンス」(タイパ)を重視し、家庭用コーヒーを選ぶ人も増えており、家庭用のカテゴリーにおいても「スティックコーヒー」や「ポーションコーヒー」など様々な選択肢が広がっている。コロナ以降は自宅で作ったコーヒーを持ち運ぶケースも増えているという。
「コスパ」や「タイパ」がコーヒー市場でも重視されつつある一方で、飲料事業本部の吉永祐太氏は「大切なのは『パフォーマンス』の部分」と強調する。単に価格の安さを訴求するだけでは、商品の価値を損なうとし、「まずはおいしさを認識してもらい、その上で計算してみたら実は安いと気づいてもらうことが理想」と話した。
