サイバーエージェントは2月27日、国内動画広告の市場調査の結果を発表した。本調査は、デジタルインファクトと共同で実施したもの。今回で11回目となる。
本調査では、インターネットを通して配信される動画広告の年間広告出稿額を推計し市場規模予測を算出。動画広告市場の推計・予測を、【広告デバイス別】・【広告商品別】・【縦型動画広告の推計・予測】を発表している。
サイバーエージェントによると、2024年の国内動画広告市場はインターネット広告市場を上回る水準で成長。広告主による堅調な広告投資とデジタルシフトが進み、年間を通して堅調な成長を遂げたインターネット広告市場の中でも、動画広告市場は、コネクテッドテレビ向け動画広告や縦型動画広告への需要の増加が大きく寄与したと分析している。
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国内動画広告市場、昨年対比115.9%の7,249億円に到達
2024年の動画広告市場規模は、昨年対比115.9%となる7,249億円。スマートフォン向け動画広告需要は昨年対比113.9%の5,750億円にのぼり、動画広告需要全体の79%を占める結果になった。
また、コネクテッドテレビ向け動画広告需要は昨年対比137.8%となる1,020億円。昨年に引き続き動画広告市場全体の成長をけん引する、高い成長を遂げたとしている。さらに2028年には、動画広告市場全体のうち、コネクテッドテレビ向けが約20%(19.8%)を占める見込みとした。
また、動画広告市場は今後も高い水準の成長を維持し、2028年には1兆1,471億円に達するとサイバーエージェントは予測している。
広告商品別ではCTVが市場けん引、縦型動画シェアも拡大傾向
広告商品別でみると、2024年の動画広告市場では、コネクテッドテレビ向け広告を含むインストリーム動画広告の需要が大きく増加。市場全体の成長をけん引した。
また、縦型動画広告の需要が大きく伸び、動画広告における新たな需要を掘り起こしたと分析。市場全体の成長を底上げする結果になった。2023年は全体の動画広告市場のうち縦型動画広告の占める割合が8.4%だったところから、2024年には12.4%にシェアを拡大。なお2028年には、全体のうち18.2%を縦型動画広告が占める割合になると予測している。
縦型動画広告の需要が大幅増加
2024年は、大手広告主による縦型動画広告フォーマットへの出稿が進んだ。このため、縦型動画広告の需要が大幅に増加し、2024年の縦型動画広告の市場規模は昨年対比171.1%、900億円に達した。
ユーザーの縦型動画コンテンツの視聴時間の全体に占める割合も増加。これを受けて大手SNSや動画配信サイトでは、ユーザー向け、広告主向け双方のサービス体制を強化する流れがある。
その流れの中で広告主におけるクリエイティブ制作の負荷が低減。縦型動画広告フォーマットが、広告主の動画プロモーションにおいて欠かせない広告フォーマットの一つとして定着した。それによって、縦型動画広告の需要は引き続き増加し、2028年の市場規模は2088億円に達すると予測している。
また、サイバーエージェントは今回の調査結果を振り返り、以下のようにコメントしている。
「動画広告は、フォーマットや配信先デバイスの多様化が進み、新しい技術を取り入れながらますます広告主にとって不可欠な広告手法となりつつある。生活者との接点が増え続けるなか、生活者の属性や状況に寄り添って、健全なコミュニケーションを図ることが求められる。新しい技術を取り入れながらその豊かな表現力を活かし、動画広告が生活者と企業との望ましいコミュニケーション手段として受け入れられ続けることにより、動画広告市場は引き続き高い水準の成長を継続することが予想される」。
