「チームで成果を出す環境に身を置きたい」 ひとり広報を経験して選んだ新天地(白井優子さん)

広報、マーケティングなどコミュニケーションビジネスの世界には多様な「専門の仕事」があります。人事異動も多い日本企業の場合、専門職としてのキャリアを積もうとした場合、自分なりのキャリアプランも必要とされます。現在、企業のなかで広報職として活躍する人たちは、どのように自分のキャリアプランを考えていたのでしょうか。横のつながりも多い広報の世界。本コラムではリレー形式で、「広報の仕事とキャリア」をテーマにバトンをつないでいただきます。LAPRASの大西 栄樹さんからの紹介で今回登場するのは、バリュエンスホールディングスの白井 優子さんです。
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白井 優子氏

バリュエンスホールディングス
コーポレートストラテジー本部 広報室 課長

新卒でIT企業に入社し、コンサルティング営業を6年間担当。営業職を通じて広報業務の重要性に気づき、自ら立候補して広報へ異動。その後、toC向け商材やサービスの広報立ち上げを経験し、いちから「ひとり広報」として仕組みを構築するなど、多岐にわたる広報業務を経験。2023年、広報チームのマネジメントや体制強化に挑戦するためバリュエンスホールディングスに入社。広報戦略の統括に加え、チーム運営にも取り組んでいる。

Q1:現在の仕事内容とは?

現在、バリュエンスホールディングスの広報室に所属しています。当社は、「Circular Design for the Earth and Us(地球、そして私たちのために循環をデザインする)」というパーパス(存在意義)を掲げ、ブランド品や骨董品などのリユース事業を中心に事業展開しています。主要な事業には、全国展開する買取専門店「なんぼや」やプレオウンド商品を扱う「ALLU(アリュー)」などがあり、これらを通じてリユース文化の促進に取り組んでいます。

主な業務は、広報戦略の立案・実行、メディア対応、プレスリリース作成、情報発信活動全般に加え、広報チームの強化やマネジメントにも携わっています。常に意識していることは、企業ブランド価値向上と認知向上です。当社が目指すサステナブルな社会づくりや循環型経済(サーキュラーエコノミー)の実現に向けた取り組みを国内外で効果的に伝えることを重視しています。また、広報活動を通じて当社が提供する価値を社会全体に浸透させることは私たちの重要な役割と認識しています。これらの実現に向けて、チーム一丸となって日々取り組んでいます。

Q2:これまでの職歴は?

新卒でIT企業に就職し、コンサルティング営業を6年間経験しました。在籍中に同社が東証1部上場を果たし、そのタイミングで広報活動を本格化することとなり、社内公募で広報へ異動。立ち上げメンバーとして基盤構築や仕組みづくりに携わりました。この経験が私の広報キャリアのスタートです。

その後、広報という業務自体に楽しさとやりがいを感じていたなか、特にBtoC向け商材やサービスの広報立ち上げに関わる機会にも恵まれました。いちから「ひとり広報」として仕組みを構築する経験は、自分自身の成長だけでなく、広報として社会的役割について深く考えるきっかけとなりました。また、そのプロセスでキャリアアップや将来的な目標についても意識するようになりました。

さらに、自分自身の年齢やキャリア/ライフステージを考えた際、「一緒に広報業務を担う仲間を増やし、チームで成果を出したい」という思いが芽生えました。そのタイミングでご縁があり、現在はサステナブル・循環型社会という興味領域で、チームと共に広報業務に取り組む機会をいただいています。

Q3:転職や社内異動などに際して、強く意識したこととは?

「自分にないスキルを習得できる環境」を選ぶことを常に意識してきました。ただし、新しいスキルだけではなく、それが自分自身にとってどのように役立つのか、人生を豊かにするものかということも重要な判断基準としてきました。例えば、人との関係構築力や多様な視点から物事を見る力などは、仕事だけでなく人生全般にも大きな影響を与えるものだと考えています。

また、自分が関わる企業やブランドが社会的意義を持つかどうかも重視しました。結果として、自分自身の興味領域と企業理念が一致する場所で働けていることは、とても幸運だと思っています。

Q4:国内において広報としてのキャリア形成で悩みとなることは何?

国内ではまだ「広報」の役割が限定的に捉えられるケースが多いと感じています。例えば、「単なる情報発信担当」と見られることもあり、その結果として戦略的な提案や経営層への影響力が制限される場合があります。また、多くの企業では広報部門が少人数であるため、多岐にわたる業務をこなす中で専門性を深める時間が確保しづらいということも課題であると感じています。

さらに近年では、デジタル化やグローバル化が進む中で、新しいスキルや知識(データ分析能力やデジタルマーケティング知識など)への対応も求められています。このような変化に追いつくためには自己研鑽が欠かせません。一方で、それら新しいスキルセットと従来型の広報業務とのバランスをどう取るべきかについて悩むこともあります。

Q5:広報職の経験を活かして、今後チャレンジしたいことは?

これまで培った広報経験と知識を活かしながら、「サステナブルな社会づくり」に貢献する取り組みを推進していきたいです。具体的には、当社が目指す循環型経済(サーキュラーエコノミー)の実現に向けた情報発信や啓発活動を強化し、日本国内だけでなく海外市場でも当社ブランド価値を高めたいと思っています。

また、当社だけでなく、社会に対して何かできるとことがあるのであれば、業界問わず、ライフワークとして携わっていきたいとも考えています。

【次回のコラムの担当は?】

総合リース会社である東京センチュリー 広報の藤村明美さんをご紹介します!

藤村さんは、資産運用会社で投信計理や投信企画の経験を積まれた後、不動産デベロッパー企業にてご活躍。その後、不動産テックのスタートアップ企業に転職し、ひとり広報としてメディア対応からオウンドメディア運営まで幅広い業務を手掛けてこられました。現在は東京センチュリー株式会社で企業広報としてご活躍され、チームの中核を担う存在です。

さらに、キャリアコンサルタントとファイナンシャルプランナー(FP)の資格をお持ちで、常にスキルアップやキャリアアップに意欲的な藤村さん。その姿勢には同年代の広報仲間として多くの刺激をいただき、尊敬しています!

藤村さんのこれまでのキャリアは、多くの方々にとって参考になるだけでなく、新たな挑戦へのヒントを与えてくれるのではないでしょうか。

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