Microsoft 広告が進化 1st Partyデータと生成AI「Copilot搭載」が強み

生成AIアシスタント「Copilot」の活用や、検索連動型広告、ディスプレイ、CTV広告をはじめとする多彩なチャネルへの配信拡大など、「Microsoft 広告」が日本市場での存在感を高めている。1st Partyデータを駆使した精緻なターゲティングと、幅広いビジネスユーザーにも対応できる強みが相まって、高い広告効果を実感する企業が相次いでいる結果である。「Microsoft 広告」の日本戦略における現状と今後について、日本マイクロソフトの中泉涼氏に話を聞いた。
写真 人物 個人 中泉涼氏

日本マイクロソフト Microsoft Advertising Japan Microsoft 広告 マーケティング部長 中泉 涼氏。

広告主企業の9割が成果に満足 1st Partyデータの緻密さが鍵に

2022年5月に日本でサービスを開始した「Microsoft 広告」は、検索エンジンBingを活用した検索連動型広告、MSNやOutlookなどの自社プロパティを活用した広告のほか、NetflixやCTV向けの広告を展開。サービス開始から2年半ほど経った現在、複数チャネルでの利用が増加し、存在感を高めている。

広告主から支持される理由について、日本マイクロソフトの中泉涼氏は、「1st Partyデータを活用した精度の高いターゲティングや、2023年から日本で提供を開始した広告プラットフォーム向け生成AIアシスタントのCopilotを用いた高度な最適化、クリエイティブ制作が複合的に作用して高い広告効果を生んでいる」と説明する。

1st Partyデータを活用したターゲティングでは、例えばBingの検索キーワード、MSNニュースポータルの閲覧ジャンルや記事情報、Edgeのブラウジング履歴などチャネルごとに取得できるユーザー許諾済みのデータを統合することで、各ユーザーに最適な広告を配信できる。LinkedInとの連携では、「この業種で部長職以上のユーザー」といったきめ細やかなセグメントを設定し、ピンポイントで広告を届けられる。「Microsoft 広告」は、ユーザーの興味関心だけではなく、こうしたビジネス情報も取得でき、他社プラットフォーマーにはない独自オーディエンスにアプローチできる点が強みだ。

さらに、NetflixやCTVなど外部のメディアに対しては、1st Partyデータを組み合わせて配信先のメディア特性に合わせたターゲティングを行い、広告主の目的によって出稿先やソリューションを容易に変えることができる。そのため、「クリック率やコンバージョン率が高くなる傾向があり、広告主企業の約9割が成果を実感している」(2023年9月 オーリーズ調べ)と中泉氏は語る。特に動画広告はブランドイメージが直に伝わるため需要が高まっているというが、同時にブランドセーフティへの配慮も懸念されている。

しかし、「Microsoft 広告」では不適切なコンテンツ周辺に広告が出ないよう制御する仕組みを備え、Cookie規制やプライバシー保護の観点も踏まえて、安全な広告配信を可能にした。こうした点もクライアントの安心感につながっているという【図】。

グラフ その他

【図】「Microsoft 広告」の主要プロダクト

画像生成から配信の最適化まで 「Copilot」で工数やコストを削減

さらに「Copilot」(AIアシスタント)を用いた広告運用の高度な最適化も行う。「Copilot」は、WindowsやEdge、タスクバー、モバイルアプリなどあらゆるところに組み込まれ、ユーザーが簡単に利用できる設計になっている。2024年から「Microsoft 広告」の管理画面にも「Copilot」が導入され、広告会社や広告主がキャンペーンを運用する際のサポート機能として活用されている。

例えば「ターゲティングの粒度はどの程度まで細かくした方がよいか?」といった疑問も「Copilot」に入力すると、瞬時に回答してくれる。画像やテキストなどの広告アセットを提案・生成する機能もあり、制作工数やコストの大幅な削減が可能となった。さらにデバイスやチャネルごとの最適化支援も「Copilot」が行ってくれる。

昨今、最適なクリエイティブやターゲティングをAIが自動で判断し、配信を調整する仕組みが進化。「Microsoft 広告」では検索連動型広告で「パフォーマンスマックス(P-MAX)」というAI自動最適化サービスを導入しているが、「Copilot」と連動することでより少ない工数で高い成果を上げる事例が増えているという。

「日本では広告会社と協力して細かい運用を行うケースが多いですが、『P-MAX』はリソースに限りがある企業にも役立つはず。特にBtoB企業の中には専任のマーケティング担当が少ないケースが多いですが、これらの機能を活用すれば、キャンペーンの分析から最適化まで誰でも効率良く進められます」(中泉氏)。

今後は「Microsoft 広告」の「Copilot」に動画生成機能を実装し、PDCAサイクルを高速化して広告効果を高める予定だという。「Copilot」がキャンペーンのパフォーマンスを分析し、問題点を検出して改善策を示す「パフォーマンススナップショット」や「診断」機能の開発も進めている。こうした現状を踏まえて、中泉氏は次のように話す。

「『Copilot』の世界のデイリーアクティブユーザーは1億人を超え、やりとりされるチャット数もこの1年で倍増しています。PCだけでなくモバイルからのアクセスが増えているのは、日常的に使われ始めている証拠でしょう。『Microsoft 広告』そのものも主要広告会社や大手企業で知られつつあります。とは言え、『Copilot』が広告運用をサポートできる点は十分浸透していません。管理画面で簡単にキャンペーン設定やクリエイティブ生成が行えるなど、使い勝手の良さをもっと知ってもらいたいですね」(中泉氏)

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