博報堂プロダクツが提供する新たなプロモーション体験 NFTを取り入れたCocolletが目指すこと

アートやゲーム、音楽などの分野で広がりを見せているNFT(非代替性トークン)。その唯一性や真正性を証明できる特性を生かし、近年ではマーケティングやビジネス領域でも活用が進んでいる。

 

博報堂プロダクツでは現在、誰でも簡単にNFTをスマートフォン上で保有・コレクションできるNFTウォレット「Cocollet(ココレット)」を提供している。2023年にローンチした同ソリューションは、メールアドレス情報のみでNFTの入手・コレクションができるのが特長だ。2025年2月にアップデートを行い、ユーザーの入手意欲や交流促進を促す4つの機能を新たに搭載した。

 

博報堂プロダクツ MDビジネス事業本部の西澤美咲氏と博報堂 ビジネス推進局の伊藤佑介氏に、「Cocollet」の提供を開始した背景やサービスの特徴、実際の活用事例などについて聞いた。

NFTのハードルを下げエンタメ要素を加えた「Cocollet」

――まずは、NFTに着目した理由を教えてください。

伊藤:マーケティング活動におけるサードパーティーデータの活用は、パーソナライズされた広告配信や顧客の行動予測などを行う際に重要な役割を担っています。一方で、ユーザーの意図と関係なく収集されるなど、プライバシーの観点や持続性などの課題があります。

その点、NFTはユーザーが自らの意思で取得するものであり、取得のプロセス自体を体験として設計できる点が大きな特徴です。さらにNFTでは、匿名化された所有者の情報であるウォレットアドレスを取得できるため、生活者のプライバシーに配慮しつつマーケティングに活用することが可能です。つまり、NFTは取得プロセスそのものを体験として設計できる点と、取得後のデータを適切に活用できる点の両方で、マーケティング領域における有用性が期待できます。

写真 人物 博報堂 ビジネス推進局 ビジネスプロデューサー 伊藤佑介 氏

博報堂 ビジネス推進局 ビジネスプロデューサー 伊藤佑介 氏

西澤:その一方で、NFTにはウォレット作成などの使用にいたるまでのハードルも存在します。そこで「Cocollet」では、ウォレットの取得体験をシンプルにし、エンタメ要素を加えることで、NFTを受け取る行為そのものを価値ある体験にすることを目指しました。これにより、従来のデジタルインセンティブよりもユーザーの興味を引きつけ、マーケティング施策としての有効性を高めることができます。

イメージ スマートフォンから二次元コードを読み取ることで容易にNFTを取得できる

スマートフォンから二次元コードを読み取ることで容易にNFTを取得できる

――「Cocollet」は今回のアップデートで、どのように進化したのでしょうか。

西澤:メールアドレスを用いて即座にウォレットを作成し、手軽にNFTを楽しめるという基本的な仕組みはそのままに、4つの新機能を加えNFTを取得する体験をさらに充実させました。それにより、NFTの収集意欲を高め、ユーザー同士の交流を促進することも可能となりました。

写真 人物 博報堂プロダクツ MDビジネス事業本部 MDビジネス部 アシスタントプロデューサー 西澤美咲 氏

博報堂プロダクツ MDビジネス事業本部 MDビジネス部 アシスタントプロデューサー 西澤美咲 氏

ランダムにNFTが当たる「くじ機能」では、取得のワクワク感を演出。また、これまではNFTを集めた後の活用方法が限られていましたが、複数のNFTを組み合わせて新たなNFTを生成できる『NFTの合成機能』により、特定のNFTを全種類集めたユーザーに特典を付与するなど、新たなキャンペーンの展開が可能となりました。

さらに「ユーザー間の譲渡・交換機能」により、NFTの収集や交換が容易になり、コミュニティの活性化を促進します。「スマートフォンのウィジェット設定機能」では、取得したNFTをスマートフォンのウィジェットとして表示できるため、「デジタルデータを所有する」という感覚をよりリアルに体験できます。

イメージ 2月のアップデートで4つの機能を追加

2月のアップデートで4つの機能を追加

映画からアニメ、地域のイベントまで広がる用途

――「Cocollet」を活用した実際の事例について教えてください。

西澤:今回は3つの活用事例についてお話しします。まずひとつ目が、映画「トランスフォーマー」の来場特典NFTキャンペーンです。入館時に二次元コードが印刷されたカードを配布し、そこからNFTを取得できる仕組みを実装しました。また通常版と特殊フォーマット版の2種類の上映方法で異なるNFTを提供し、2種集めた方にはコンプリート特典として限定NFTを配布しました。結果として約3万点のNFTが取得され、コアなファン層の満足度を向上させることにつながりました。

2つ目が、「Cocollet」のアップデートを記念して行った、NHKで放送されていた子ども番組「オトッペ」とのコラボ企画です。今回のコラボを通じてNFTにこれまで関心がなかった層やハードルの高さを感じる層にも、「Cocollet」を通じて誰でも簡単にNFTを受け取れることを体験していただきました。

イメージ 「オトッペ」コラボレーションNFT 受け取り用二次元コード
イメージ 「オトッペ」コラボレーションNFT 受け取り用二次元コード

「オトッペ」コラボレーションNFT 受け取り用二次元コード

※スマートフォンで以下のリンクをクリックして、NFTを受け取ることも可能
OH!OH!オトッペ】  【バラバラバンバ】  【ミーチャッタ・ダンス

3つ目が、新潟県三条市の本成寺で行われた節分会での「デジタル御朱印ラリー」企画です。これまで、来場者はイベントや屋台でのリアル体験を楽しむことが多かったのですが、境内全体を回遊してもらうために5カ所に二次元コードを掲載した鬼のパネルを設置し、スタンプラリー形式で御朱印NFTを取得できる仕組みを導入しました。全種類コンプリートした先着100人にはコンプリート特典として特別な御朱印NFTを配布し、さらに会場で限定デザインの御朱印帳と交換できる「オンラインオフライン横断型」の体験を実装しています。

デジタルでありながら配布数を限定できるため、希少価値を高められるのもNFTならではの面白さです。ここにくじ機能や交換機能を取り入れることで、さらなるファンコミュニティの活性化も期待できます。

写真 オンラインとオフライン横断型の新しい体験を提供した「デジタル御朱印ラリー」

オンラインとオフライン横断型の新しい体験を提供した「デジタル御朱印ラリー」

コストを抑えて全国規模の体験を提供

――企業が「Cocollet」を活用するメリットは何でしょうか。

西澤:最大のメリットは、単なるデータの配布ではなく、ユーザーに「体験」を提供できる点です。体験はオフライン、その感想をデジタルで拡散、という形の従来のプロモーションでは、開催が都心や主要都市に限定されるという課題がありました。しかし「Cocollet」を活用することで全国規模での体験提供が可能になります。また、NFTの取得のみならず、その後の交換や収集を通じて、中長期的に楽しめるプロモーションとすることもできます。

費用面でも、全国でリアルイベントを開催するのに比べ、コストパフォーマンスが高い点が特徴です。開発不要で導入できるため、200万円程度~(+デザイン費)で利用可能です。さらに、制作リードタイムも短期間で、クライアントの要望に応じたカスタマイズや、機能のアップデートにも柔軟に対応できます。

――最後に、相性の良い企業や分野を教えてください。

西澤:まず、イベントやプロモーションに適しており、特にリアルイベントと連動した施策に向いています。例えば、本成寺の事例のように、現場での体験と同時にデジタル要素を加えることで、より没入感のある施策を展開できます。

また、デジタルノベルティの分野でも有効です。例えば、実店舗のキャンペーンで「対象商品を2点買うとノベルティがもらえる」といった施策がありますが、NFTであればデジタル上で友人と交換でき、コンプリート特典を付与することも可能です。さらに、NFTは都道府県別デザインの展開が容易で、全国規模のプロモーションに適しています。

さらに、ポイントプログラムとしての活用も考えられます。NFTの取得数によって会員ランクを設定し、ポイントカードのように利用できるだけでなく、譲渡機能を活用すれば、友人同士でポイントを共有しながらランクアップするなど、新たな体験を生み出せます。

NFTウォレット「Cocollet」の詳細はこちら
https://www.h-products.co.jp/solutions/technology/cocollet/

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写真 人物 西澤美咲氏と伊藤佑介氏

Cocolletに関するお問い合わせ


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