窪田正孝や今田美桜ら起用 異常気象で拡大の「男性日傘」市場、過熱するプロモーション合戦

140年以上の歴史を持つムーンバットの戦略

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1885(明治18)年に創業し、2025年に創業140年を迎えたムーンバット。時代とともに事業内容や取り扱い商品を変化させてきた同社だが、近年の温暖化問題や人々の健康志向の高まりなどから、傘の活用シーンの幅が広がっているという。

ユニセックス強化し、男性の抵抗感探る

ムーンバット 常務執行役員 戦略事業部長の鈴木康史氏によると、同社では数年前までは、「男性向け」「女性向け」として提案軸を分けて商品を企画していたが、ジェンダーレスの観点から、「ユニセックス企画」として提案できる商品強化に努めているという。

「しかしながら、まだまだ開拓余地のある男性市場開拓として、男性の日傘に対する抵抗感がどこにあるのかを深掘し、ネガティブ要素を埋める戦略で商品開発・PRにつなげています」(鈴木氏)。

同社では男性向けの啓蒙活動の一環として、男性社員全員が遮光日傘を持ち、ビジネススタイルに日傘を取り入れる活動なども行っている。

また、ムーンバットがコンセプトの策定やプロモーションにおいて、実行している項目は次の通りだ。

・マーケティング分析に基づき、次シーズンに打ち出すポイントをセグメントした上で、リーチしたいターゲットを明確にする。
・それぞれのKPIを設定したのち、達成に向けたロードマップを作成しPR戦略を策定。

前述の内容を踏まえ、新規開発商品において、ユーザーが競合商品との違いを分かりやすく認識できるプロモーションを心掛けているという。

イメージ 女性のアンバサダーを起用することにより、商品の魅力が明確に伝わりやすいように精査し実施しているという。

女性のアンバサダーを起用することにより、商品の魅力が明確に伝わりやすいように精査し実施しているという。

SEO値を上げる効果も意識

「マジ、軽い傘 マジカルテック」や「マジで軽い傘 マジカルテック プロテクション」、「3秒でたためる傘 /urawaza」、その商品のコンパクトシリーズで「kowaza」 など、キャッチ―な商品名が印象的な同社の日傘商品。

これは、わかりやすいネーミングを浸透させることで、親しみやすさを意識すると同時に、SEO値を上げる効果も意識しているためだという。

「消費者動向を商品に反映するため、市場トレンドに基づき機能面の開発につなげますが、市場価格にマッチしているかを精査し商品化。それでも、競合との同質化は否めないため、わかりやすいネーミングを常に模索しています」(鈴木氏)。

イメージ 「kowaza」と「マジで軽い傘 マジカルテック プロテクション」のキービジュアル。ブランドのアンバサダーには今田美桜を起用している。

イメージ 「kowaza」と「マジで軽い傘 マジカルテック プロテクション」のキービジュアル。

「kowaza」と「マジで軽い傘 マジカルテック プロテクション」のキービジュアル。ブランドのアンバサダーには今田美桜を起用している。

また、テレビCMは費用対効果の面でハードルが高いと話す鈴木氏。そのため、地上波メディアに取り上げてもらうべく、PR会社とのメディアプロモートには非常に注力しているという。

「地上波の情報番組は、即効性があり、売上貢献度は高いです。また、EC化率の上昇に伴い、SNS・WEB上の広告も重要なPR戦略と位置付けています」(鈴木氏)。

年々厳しさを増す猛暑日・ゲリラ豪雨のなど、気象条件に比例して、必要不可欠になりつつある晴雨兼用傘は、まだまだ市場拡大が見込まれる。

そんな中で同社が目指すのは、消費者目線にフィットした商品を供給できるよう、機能性を最大限アピールすることだ。

「当社は2025年140周年の節目となります。長年にわたり市場をリードし続けてきた企業としてお客様目線の商品を今後も提供し続けます」と鈴木氏は展望を語った。

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ミラクルテック「ミラクルミッケ」篇。


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