「桜AIカメラ」で樹木の保全活動を促す キリン「晴れ風」の社会貢献活動

写真 人物 マーケティング部新価値創造担当の塩田氏(左)、日本樹木医会の和田博幸副会長

マーケティング部新価値創造担当の塩田氏(左)、日本樹木医会の和田博幸副会長

盛り上がりを見せている「晴れ風ACTION」だが、保全活動としてはまだ十分とは言えないとしている。桜は40歳を超えると衰えが始まり、適切な手入れが必要となる。さらに、60歳を超えると植え替えも求められる。戦後の復興期に全国で植えられた「ソメイヨシノ」は、一斉に高齢化し、各地で手入れが必要な時期を迎えているという。

街路樹などは5年に1回の頻度で樹木医が健康状態を把握しているが、それ以外の桜は予算の問題から十分な調査が行われていないという。桜の健康状態を把握するには人手や資金が不足しており、管理も限界に達しつつある。最近では、やむを得ず桜を伐採するケースも発生している。

その課題を解決するため、「春になると多くの人が桜の写真を撮影する」点に着目し、日本樹木医会と協力して「桜AIカメラ」を開発した。スマホカメラの撮影で桜の健康状態を判定して自治体にデータを提供するサービスは世界初だという。

桜AIカメラは、約5000件の学習データを用いたディープラーニングにより、桜の健康状態や推定樹齢を判定できる。桜を撮影すると、健康状態が5段階で表示される。幹を撮影すれば、推定樹齢も表示される仕組みだ。位置情報も取得され、収集されたデータはマップ上にアイコンとして表示される。蓄積されたデータは自治体の保全活動に活用される。

集まった全国のデータは専用ページで閲覧でき、桜の健康状態が悪化しているエリアを特定し、新たな保全活動につなげることも可能。精度や機能は今後もアップデートしていく予定だ。

ユーザーの能動的な参加によって盛り上がりを見せた「晴れ風ACTION」だが、今回のAIカメラも自発的な保全活動への参加を促すツールとして期待されている。同社は「今年のお花見は『見るお花見』から『守るお花見』へ」として、さらなる参加を呼びかけている。

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