大阪広告協会は3月17日、第68回「大阪広告協会賞」と第58回「やってみなはれ佐治敬三賞」の受賞者を発表した。大阪広告協会賞にはJR西日本(西日本旅客鉄道)が、同特別賞にはタケモトピアノが選出された。やってみなはれ佐治敬三賞には博報堂のアクティベーションディレクターである宮原広志氏が選ばれた。
大阪広告協会賞は、優れた広告活動を通して企業業績の向上と大阪の情報発信や経済・文化の発展に貢献した個人や団体に贈られる。
協会賞に選ばれたJR西日本は、長年にわたり大阪の人・こと・ものの賑わいを創出した点が評価された。1990年に開始したCM「三都物語」、2008年からの大阪駅での環境対策の取り組み、そして近年の北陸新幹線敦賀駅開業、複合商業施設「グラングリーン大阪」の玄関口としての「うめきたエリア」の街びらきなど、「もっとつながる。未来が動き出す。」というグループスローガンのもと挑戦を続けてきた点が受賞に繋がった。
JR西日本グループ コンセプトムービー:モビリティサービス篇
AI活用で新CMを制作したタケモトピアノに特別賞
特別賞には「赤ちゃんが泣き止むCM」で広く知られるタケモトピアノが選ばれた。1997年からテレビCMを開始したが、2023年10月に出演していた財津一郎氏が死去。同年8月をもってCMは終了していたが、2024年8月からはAIを活用しリメイクしたCMを放映し話題を集めた。
タケモトピアノ CM「もっともっと」篇
関連記事
やってみなはれ佐治敬三賞に博報堂の宮原広志氏
一方、やってみなはれ佐治敬三賞は、広告技術の向上を目的に、常に広告文化の新しい時代を切り拓くチャレンジ精神あふれる作品を制作したクリエイターに与えられる。今回受賞した博報堂の宮原広志氏は金龍製麺、海遊館のプロモーションなどを手がけている。
博報堂 アクティベーションディレクター 宮原広志氏
金龍製麺の企画では2024年、ネガティブなニュースから話題化につなげた。道頓堀にある「金龍ラーメン」は看板の一部が隣の土地にはみ出していると訴えられ、一部を撤去することに。その際に切り落とした龍の尾を近隣のカニ料理店のカニの立体看板と組み合わせて、期間限定で設置するという企画を提案した。
海遊館(大阪市)の仕事では2023年、水槽のリニューアルに合わせた企画を実施。海洋ごみなどを再利用してつくられたファッションアイテムを展示する特別企画「サンゴショーウィンドウ」のほか、リニューアル工事中の水槽の壁面を覆うブルーシートにARマーカーを組み合わせた施策を実現した。
関連記事
