HYBEやJYPなど4大事務所の特徴は?K-POPから学ぶコンテンツプロデュース ①アイドルの仕組み(前編)

「韓国トレンド研究室」、第9回目です!今回は「K-POPアイドルから学ぶコンテンツプロデュース」についてお話しします。

韓国と言えば、最初にK-POPアイドルを思い浮かべる人も多いかと思います。それほどK-POPは世界中で影響力がある市場です。

「K-POP」は、非常に大きなテーマのため、本コラムでは、
①K-POPアイドルの仕組み
②ビジュアルデザイン
③リリース
④MV考察
の4篇に分けて、研究していきたいと思います!

今回は「①K-POPアイドルの仕組み」篇(前編)です。

私は韓国のトレンドやお店などを日々研究していますが、アイドルにはそこまで詳しくないので、至らない点があるかもしれませんが、楽しんでいただけたら嬉しいです!

1. 4大事務所の特徴

第1章では、K-POPアイドルの4大事務所の特徴や違いなどについてご紹介します。

K-POPアイドルにおいては、HYBE/JYP Entertainment/SM Entertainment/YG Entertainmentが「4大事務所」と呼ばれていて、事務所ごとにアイドルの系統が顕著に分かれています。

事務所のカラーがある分、「事務所を丸ごと推している」ファンも少なくないです。日本でも、「スタダ(スターダストプロモーション)顔」「seju顔」などと、芸能事務所の名前を用いた顔系統の呼び名がありますが、韓国も同様です。

もちろん4大事務所の他にもたくさんの事務所があるのですが、今回は上記の4つに絞って、所属アイドルと事務所の特徴をご紹介します。

HYBE(旧 BIG HIT Entertainment)

所属グループ一例
BTS / ILLIT / LE SSERAFIM / SEVENTEEN …etc

…ですが、厳密にいうと上記のグループはHYBEではなく、HYBE傘下の子会社にそれぞれ所属しています。

例えばBTSはBIGHIT MUSIC、ILLITはBELIFT LABに所属しているという感じです。

通常は「レーベル」といって、同じ会社の部署、部門のような分け方をするのですが、HYBEはアーティストやグループによって所属企業が異なります。

先ほど説明したように、韓国は事務所ごとにカラーがあるため、違うグループでも同じ事務所だとファン層が近くなります。しかしHYBEはアイドルごとに会社が違うため、さまざまな系統のグループができ、アイドルごとに異なるファン層を獲得できたり、異なる打ち出し方ができたりするのです。

さらに、HYBE(傘下のWEVERSE COMPANY)は、「Weverse(ウィバース)」というソーシャルメディアプラットフォームも手掛けていて、アーティストのリアルタイムライブ配信など、アーティストとファンのコミュニケーションの場になっています。

JYP Entertainment

所属グループ一例
TWICE / ITZY / NiziU / GOT7 …etc

JYPという社名はオーディション番組でたびたび話題になっているため、社長のJ.Y.Parkさんの名とともに、K-POPをあまり知らなくても、知っている人が多いのではないでしょうか。

JYPの特徴は、ダンスや歌などのアーティストに求められる能力だけでなく「人格」を非常に大切にしている点です。また、JYPには特に多国籍グループが多く、国際的なファン層を獲得しています。

顔の系統は、フレッシュ・キュート系の顔立ちのメンバーが多く、グループのカラーはポップで親しげ、明るいイメージです。

SM Entertainment

所属グループ一例
東方神起 / 少女時代 / EXO / NCT / aespa …etc

こちらは4大事務所の中で最も歴史があり最も大きな企業で、日本で初めてK-POPブームを生んだ「第二世代」のアイドルグループが多く所属しています。

顔の系統は、高嶺の花と表現されることが多く、顔だけでなくパフォーマンス、学力までもハイレベルを追求しています。

YG Entertainment

所属グループ一例
BIGBANG / BLACKPINK / iKON /BABYMONSTER …etc

作詞作曲、ラップスキル、パフォーマンスなどの実力重視の事務所として有名です。

また、ビジュアルは、クール・派手・個性的・強い・自由奔放・カリスマ性などと表現されることが多く、アイドルといえば「可愛らしい」イメージですが、あまりそういったイメージではありません。

また、クオリティ重視のためか、他の事務所よりもカムバの頻度が少ないです。

このように、事務所ごとにプロデュースの方向性、戦い方を明確に変えることで、レッドオーシャンな市場でもたくさんの人気グループが生まれ続けています。

2. 音楽番組について

第2章では、音楽番組についてご紹介します。

6大音楽番組

韓国では月曜日を除き毎日、次のように、1週間に6つもの音楽番組が放送されているのも大きな特徴です。

・火曜:THE SHOW (ドショ)

 

・水曜:SHOW CHAMPION(ショーチェン)

 

・木曜:M COUNTDOWN(エムカ)

 

・金曜:Music Bank(ミューベン)

 

・土曜:SHOW 音楽中心(ウマチュン)
https://x.com/MBCMusicCore/status/1893839938828788003

 

・日曜:人気歌謡(インガ)

韓国ならではの音楽番組の仕組み

これらの番組は、それぞれで独自の楽曲ランキングを毎週発表します。

ランキングは、主に「配信サービス・アルバム売上・Youtube再生数・事前投票・リアルタイム投票・放送回数」をもとに決められます。番組ごとに、項目ごとの比率が変わるため、番組ごとで順位が変動します。

月曜日からの1週間を集計期間とし、翌週に順位が発表されるため、「集計が始まる月曜日にカムバして、火〜日曜日まで連続で音楽番組に出演していき、翌週の1位を狙っていく」という戦略で動いているグループが多いです。

仕掛けの面白さ

私が初めて韓国の音楽番組について知った際、「音楽番組を中心に全方位にいい循環が生まれる」素晴らしい仕掛けだなと思いました。

その循環は次のように起こっています。

ファンは推しを1位にするために、各媒体で曲を視聴・投票する

・配信サービス/レーベル/グループメンバー …各方位に利益が発生する
・事前投票によって、アプリDL数・アクセス数増加
・リアルタイム投票によって、番組視聴率増加

1位を取ると話題になるので、各位が力を入れるため、露出量が増える

ファンは推しをたくさん見られる

(繰り返し)

と、これが毎週行われ続けるので、K-POPの市場自体がずっと熱狂し続けるのです。

♦ ♦ ♦

・・・続く後編では、「K-POPならではの基礎知識や用語」について紹介します!

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佐々木日菜(kakeru プランナー/イラストレーター)
佐々木日菜(kakeru プランナー/イラストレーター)

大学時代、フリーのイラストレーターとして活動。過去に制作した展示は、「どっちかといえばこっち展」「いい人すぎるよ展」「やだなー展」「みんなどんな感じ?展」「いい人すぎるよ美術館&切ないすぎるよ博物館」「うれしいすぎるよ展&そういうことじゃないんだよ展」など。展示ではイラストも担当している。著書に「いい人すぎるよ図鑑」。

佐々木日菜(kakeru プランナー/イラストレーター)

大学時代、フリーのイラストレーターとして活動。過去に制作した展示は、「どっちかといえばこっち展」「いい人すぎるよ展」「やだなー展」「みんなどんな感じ?展」「いい人すぎるよ美術館&切ないすぎるよ博物館」「うれしいすぎるよ展&そういうことじゃないんだよ展」など。展示ではイラストも担当している。著書に「いい人すぎるよ図鑑」。

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