「韓国トレンド研究室」、第9回目の後編です!後編では、K-POPならではの基礎知識や用語をご説明します!
【前編】
1. K-POPアイドルの4大事務所の特徴
・HYBE
・JYP Entertainment
・SM Entertainment
・YG Entertainment
2. 音楽番組について
・6大音楽番組
・韓国ならではの音楽番組の仕組み
・仕掛けの面白さ
【後編】
3. K-POPの基礎知識・用語
・カムバ
・ショーケース
・エンディング妖精(エンディングヨジョン)
・ファンカム/チッケム
4. まとめ
3. K-POPの基礎知識・用語
日本の推し活でも、「推し変」「同担拒否」「古参」「ぬい」…と数えきれない特有の用語があるように、K-POPにもたくさんの用語があります。
今回は「コンテンツプロデュース」の視点で考えた時に、知っておいたほうがよい用語のみ、ピックアップしてご紹介します。
カムバ
K-POPについて説明するときに欠かせない「カムバ」。「カムバック」の略で「活動再開」「新曲発表」のことを指します。
K-POPアイドルが日本のアイドルと大きく違うのは、番組、イベント、ライブなど活動を活発に行う「活動期間」と、アルバム制作やパフォーマンス練習をする「準備期間」がはっきりと分かれているところです。
カムバの1カ月ほど前に予告が発表され、そこから忙しなく、MVティザー映像や、MV公開日時、各種メディア出演予告などが大量に発表されます。
「準備期間」で一気に露出が減ることで、ファンは推しに会いたい気持ちが募り、「活動期間」で一気に露出が増えることで、大量に推しを摂取できます。
常に一定数の露出があると段々と追わなくなっていったり、「これは観なくてもいいかな〜」となったりしてしまい、全部のコンテンツを観てもらうことが難しくなります。
「カムバ」という仕組みによって、アイドルの準備期間にファンたちも休憩することができます(推し活を楽しんでいるつもりでも、たくさんの情報をあらゆるメディア・コミュニティからキャッチし続けることはきっとかなりのエネルギーが必要なはずです)。
ファンも休憩を挟むことで、「せっかく久しぶりに観れたから全部摂取しないと!」「早く推しを見たい!」という気持ちになり、漏れなくたくさん観てもらうことができます。
準備期間の露出量はグループごとに違うのですが、例えば新曲のコンセプトに合わせて髪型を変えたメンバーが、発表前は見えないように帽子などで必死に隠すことで、ファンの間で「絶対イメチェンした!どんな髪色にしたんだろう!次の曲はどんなコンセプトなんだろう〜〜」と、話題になります。
このように、準備期間のさまざまな仕掛けによってワクワク感がどんどんと高まり、それに伴ってカムバがより一層楽しみになります。
ショーケース
これは一言で説明すると、「デビュー前や新曲発表の前に開かれるお披露目会」です。メディアもファンもどちらも対象のイベントです。
新曲披露はもちろん、アルバム制作エピソードなどが聞けるトークもあります。
あくまでライブではなくお披露目会のため、無料なことが多く、時間も1時間程度と短めなことが大半です。
また、同じ事務所の先輩アイドルが司会として登壇してくれることも多く、司会が誰なのかというのもショーケースの見所のひとつです。
話は変わりますが、例えば「解禁1日でなんと1万DL突破!」という言葉を聞いた時に、本当は異例の快挙まではいかなくとも“なんと”という言葉に引っ張られて、「すごいな」という印象を受けることがあると思います。
もちろん嘘の数字などを発信することは絶対にダメですが、「積極的に発信していく」ことは非常に大切だと感じます。
オンラインでのリリース(MVリリース、楽曲配信など)も、もちろん待望ではありますが、オフラインの場で大々的にお披露目することで、「超一大イベント感」を出すことができるので、ショーケースもK-POP特有の良い仕掛けだなぁと思います。
エンディング妖精(エンディングヨジョン)
これは、「曲の最後(=エンディング)にメンバーがひとりずつクローズアップされること」で、2016年放送のオーディション番組『PRODUCE 101』が発祥です。
その時のアイドルが妖精のように美しいということで、この名前になっています。
表情やポーズをキメるだけでなく、おふざけをすることもあったり、メンバーの仲の良い姿を見せてくれたりと、ファンを楽しませてくれています。
エンディング妖精が「美しすぎる!」「ビジュ爆発!」「可愛すぎる…!」とたびたび話題になるのですが、これはつまり橋本環奈さんの『奇跡の一枚』を毎パフォーマンスで生み出すことができるということなのです。非常にすごい仕組みだなぁと思いました。
ファンのなかで「今回美しすぎた…」と話題になることで、ファン以外にも情報が届き、認知度が高まり続けるのです。
チッケム
チッケムとは、「メンバーの内のひとりだけを追って撮った動画」のことです。
当たり前ですが、音楽番組では、グループのメンバーが順番に映されます。
「グループごと好き」という人は多いと思いますが、それでもやっぱり推しをたくさんみたいものです。特に人数が多いグループだと一人ひとり満足いくほど見られません。
通常カメラとは別に、ひとりに対して1カメラがつくので、全体の映像を楽しむのはもちろん、それに加えてひたすら推しを堪能できる動画も楽しめるのです。
韓国のカメラマンさんは、カメラマンさんも一緒に踊っているんじゃないかというほど(実際かなり動いている)動きのある映像で、「カメラワークがすごすぎる」と言われています。
また、例えば「フォーメーションチェンジしている瞬間」など、普通であれば映さないシーンも見られるため、臨場感も味わえます。
以上、カムバ/ショーケース/エンディング妖精/チッケムの4つに絞った、「コンテンツプロデュース」観点でおさえておくべき用語でした!
4. まとめ
今回は、「K-POPアイドルから学ぶコンテンツプロデュース ①K-POPアイドルの仕組み」篇でした。ここまで読んでくれたみなさま、ありがとうございます!
さて、次回のコラムは「②ビジュアルデザイン」篇です!次回もぜひお楽しみいただけると嬉しいです!