方針転換で浮上したUCC「ドリップポッド」 Netflix流のサブスク戦略も奏功

写真 店舗・商業施設 期間限定ポップアップ「DRIP POD LAB」

期間限定ポップアップ「DRIP POD LAB」。一口サイズのフード付きで1杯200円(税込)

2015年にドリップポッドを発売し、2016年にはソロフレッシュコーヒーシステムを立ち上げた。しかし、発売当初は苦戦し、販売規模は現在の10分の1程度だったという。要因はUCC社員や顧客がブランド価値を「早い・簡単・便利」と認識しており、従来のインスタントコーヒーと変わらない商品だと誤解されていたことだという。

UCCジャパン執行役員ニュービジネス担当の柳原優樹氏は当時について「各販売チャネルや動画でのPRでも『早い』や『簡単』を重視した内容になっていた」と話した。そこで、同商品の価値を「『最高の一杯』を飲めること」と考えを改め、2019年頃からブランドの方針を転換した。

社員の営業活動では、豆の品質管理、品質検査、焙煎、粉砕、抽出の4つの工程すべてを自社で管理している点など、こだわりと品質をアピールすることを徹底した。ワンドリップコーヒーなどを淹れる場合、お湯の使い過ぎで薄いコーヒーを飲んでいる人も多いが、ドリップポッドは最適な淹れ方により「抽出時」まで同社のこだわりが反映されている点が特長だ。

品質やこだわりを訴求するには、通常のPRだけでは不十分であるとし、価値を体験できる「場所づくり」も意識したという。ホテルや会員制ラウンジ、コミュニティスペース、ポップアップイベントなどで提供し、特別なコーヒー体験を提案した。

特にホテルでの提供に注力しており、ドリップコーヒーによる「日本のおもてなし」を実現できることから、多くのホテルで採用実績がある。人手不足の解消やインバウンド需要への対応、満足度向上につながっているとの評価も得ている。ホテル客室での導入率はコーヒーブランドの中でNo.1となった。

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